2016/03/29

群馬/住宅無償提供の1年後打ち切り 県が戸別訪問検討、自主避難者の不安に対応

2016年3月29日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201603/CK2016032902000195.html

東京電力福島第一原発事故に伴い、福島県が全国各地の自主避難者に無償提供している住宅を来年三月末で打ち切る問題で、群馬県が同県内で打ち切り後の住宅が未定の自主避難者らを対象に戸別訪問を検討していることが二十八日、分かった。群馬県は自主避難者を受け入れている県内の各市町村にも協力を要請し、生活や将来などに不安を抱える自主避難者の相談に応じる見通し。 (菅原洋)

福島県からの避難者らが入居する県営住宅=前橋市で 

事故を受けて福島県は災害救助法に基づき、自主避難者を含む被災者が転居した公営住宅などの家賃を国費で全額補助している。しかし、同県は政府から避難指示を受けている被災者を除く自主避難者については、無償提供を打ち切る方針を決めている。

福島県は一~二月、群馬県を含む自主避難者を対象にした「住まいに関する意向調査」を実施。福島県外へ自主避難しているうち、三千百八十六世帯(回収率60%)から郵送などで回答を得た。

二十五日現在の中間とりまとめによると、来年四月以降の住宅が未定なのは二千五百一世帯(78・5%)を占め、決まっているのは六百七十三世帯(21・1%)にとどまった。未定とする二千五百一世帯のうち、約70%は来年四月以降に福島県外での生活を考えていた。

福島県は五月から、同県内で住宅が未定の世帯などを対象に戸別訪問する方針。福島県は群馬県への自主避難者については、同県に協力を打診している。




群馬県内で打ち切りの対象となるのは、昨年十月現在で百八世帯。福島県は調査結果の中で群馬県の内訳は明らかにしていないが、このうち半数前後の世帯が来年四月以降の住宅が未定とみられる。

群馬県は四月以降、県営住宅や県を通じて民間の借り上げ住宅に無償で入居し、打ち切り後の住宅が未定の世帯への訪問を検討。同県は各市町村に対し、それぞれが運営する公営住宅などに入居する世帯を訪問するように協力を要請する見込みだ。

群馬県危機管理室は「福島県からの打診を真摯(しんし)に受け止め、訪問の態勢などを検討している。一年後というリミットがある中、群馬県になじんでいる自主避難者と仕事、子育て、教育などの問題を丁寧に話し合えればと考えている」と説明している。

福島県避難者支援課は「(打ち切り後の住宅が未定の世帯に)住宅の当てがどの程度ないのかを戸別訪問によって見極め、県の支援策や既存の制度を説明していきたい」と話している。

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