2015年11月1日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151101_51003.html
山形県は、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で県内に避難している世帯を対象にアンケートを実施し、結果をまとめた。避難生活が長期化する中、生活資金や住宅に関する不安が増大傾向にあり、心身の不調の訴えも約8割に上っている。山形への定住希望者は、質問形式がやや異なる前回と比べると4.3ポイント増加し、28.3%となった。
調査は2011年から実施し5回目。8月中旬~9月中旬に郵送、回収した。対象は病院や施設に入所する一部避難者を除いた1291世帯で445世帯(34.5%)から回答を得た。避難元の県は、福島87.6%、宮城10.3%、岩手0.7%など。このうち母子避難世帯は前回を0.9ポイント下回る28.1%。
対象は前回から415世帯減少した。避難元への帰還が進んだことなどから、相対的に定住希望者の割合が増えたとみられる。「避難元の県に戻りたい」は20.7%、「分からない・未定」は40.7%だった。
山形での定住を望む理由(複数回答)は「放射線の心配が少ない」(38.1%)が最多で、「子どもの就学」は前回から12.2ポイント増え34.9%だった。困りごとや不安なこと(複数回答)は「生活資金」が66.3%(前年比2.6ポイント増)でトップ。「住まい」が49.9%(2.4ポイント増)で続いた。求める支援策(複数回答)は、「住宅に関すること」が53.5%で最も多かった。
心身の不調(複数回答)は4年連続で約80%が訴えた。「特にない」と答えた人は22.0%にとどまった。孤独を感じているという人は年々増加し、25.4%(2.2ポイント増)だった。
県復興・避難者支援室は「避難が長期化する中、抱える悩みも家庭ごとに異なってきている。帰還や定住を望む人には意向に沿った形での支援を行い、未定の人にはどういう情報が必要なのか話を聞きながら支援していきたい」と話す。
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