2016年01月18日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160118-043101.php
南相馬市の2013(平成25)年産米の一部に放射性物質が固まって付着していた問題で、現地で調査を進めてきた京大大学院医学研究科環境衛生学分野の小泉昭夫教授は17日、13年8月の東京電力福島第1原発のがれき撤去作業中に同市に放射性物質が飛び散ったとの見解を発表した。小泉氏は〈1〉シミュレーション結果〈2〉粉じんの放射能の測定結果〈3〉シミュレーション結果に一致する地点の土壌中からストロンチウムが高濃度で検出されている―ことを根拠にしている。
同市で開かれた汚染米の調査報告会で示した。
小泉氏は、南相馬市民らと共に、気象条件などを考慮して福島第1原発からの放射性物質の飛散を模擬再現。大気や土壌調査、セシウム137の予測値と実測値の比較を行ったほか、土壌中の放射性セシウムとプルトニウム、ストロンチウムを測定した。
調査結果によると、南相馬市内の21カ所で採取した土壌のうち、3カ所でストロンチウムを検出。シミュレーションで飛散が予想される同市原町区の太田神社近くで採取した土壌から高い値のストロンチウムが検出されたことから、「11年の原発事故以降に原子炉近くの粒子が飛散したことを示唆している」とした。
同問題をめぐり、農林水産省は明確な汚染源を特定しておらず、原子力規制委員会は、がれき撤去が原因である可能性は低いとしている。
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