2016年1月27日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160127/k00/00m/040/163000c
京都大原子炉実験所から原発の危険性を指摘
京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)から原発の危険性を指摘してきた研究者集団「熊取の6人組」で唯一の現職、今中哲二助教(65)が3月末で定年退職する。旧ソ連・チェルノブイリ原発事故の災害研究の第一人者として事実上の退職講演がある。来月10日には6人組が創設した自主講座「原子力安全問題ゼミ」で講演。今後も福島第1原発事故の放射能汚染の実態などの研究を続ける。
定年退職する京大原子炉実験所の今中哲二助教 =2016年1月4日、大島秀利撮影 |
今中さんは広島市出身。祖母を原爆で亡くし、母親も被爆した被爆2世だが、「それとは関係なく、当時は最先端技術とされ面白そうだったから」と大阪大の原子力工学科に進学。東京工業大大学院を経て1976年に京大原子炉実験所の助手(現助教)になった。原子力開発のありように疑問を抱き、「原発をやめるのに役立つような研究」をするようになった。
86年のチェルノブイリ事故では90年から6人組の故瀬尾健助手と現地入りした。以降、20回以上訪れ調査。2011年3月11日に福島事故が起こると、同月内に、後に計画的避難区域となる福島県飯舘村で放射性物質の測定などをして、住民らへ判断材料を提供してきた。
学術講演会の問い合わせは同実験所(072・451・2300)。来月の自主講座は希望者が140人を超え、申し込みを締め切った。【大島秀利】
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