2016/01/19

風評被害賠償「県産品50%以上」が基準


2016年1月19日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160120/k00/00m/040/142000c

東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の避難指示区域外の商工業者に対する風評被害賠償で、東電が通常の商工業者より手厚くするとしている農林水産物 を扱う食品加工業者などへの賠償について、手厚くするかどうかの判断は福島県産品を50%以上使用しているかを基準にしていることが東電への取材で分かっ た。50%未満なら一般の商工業者と同等に扱うといい、商工団体は「原材料の割合で賠償を決めるのはおかしい」と批判している。

東電は昨年6月、商工業者への風評被害賠償を2015年8月〜17年7月の2年分を一括で支払い、その後は個別の事情に応じて賠償すると発表。県内の農林水産業者には賠償期限を明示しておらず、農林水産業者の方が商工業者より賠償が手厚くなるとみられる。

東電は賠償の枠組みの中で、商工業者のうち農林水産物を扱う食品加工業者や流通業者などについて、「実質的に農林水産業と同等の損害が生じている場合 は、農林水産業者の賠償に沿って支払う」と説明。福島県中小企業団体中央会によると、東電は各業者に「原材料に50%以上県産品を使っていないと通常の商工業者と同じ扱いになる」と述べたという。

これを受け、同中央会など商工3団体は19日、「原材料の産地限定をしないよう柔軟な対応を求める」との要求書を東電に提出。「賠償の判断の基準がなぜ 50%なのか理由を説明してほしい」と訴える。一方、東電は取材に対し「国の原子力損害賠償紛争審査会が11年8月に示した中間指針に沿って50%以上を 判断基準にした。商工業者に対しては丁寧に説明したい」としている。【土江洋範】

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