2016/01/20

「避難先の仲間と卒業したい」 飯舘の学校再開、村長と意見交換

2016年01月20日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160120-043590.php

2017(平成29)年4月に村内で幼稚園と小学校、中学校を再開する方針を示している菅野典雄飯舘村長は19日、福島市飯野町の飯舘中仮設校舎で生徒との意見交換会を開いた。生徒からは学校再開に対する不安の声が相次いだが、菅野村長は学校再開への理解を求めた。村は今後も児童・生徒との意見交換会を開く予定だ。

村の方針通りに進めば、現在の中学1年生は3年生への進級と村内での学校再開の時期が重なる。このため村は、仮設校舎に通う中学1年生32人を意見交換の対象にした。

参加した生徒は「この仲間と卒業したいので1年延ばせないか」「放射線の不安もあって家族も毎日悩んでいる」「学校再開のメリットは」「高校受験の時期とも重なる」など率直に疑問点や意見を述べた。

これに対し、菅野村長は「どこかで踏ん切りをつけなくてはならない。申し訳ないが、同級生や家族と相談して(再開する村内の中学に通学するかどうかを)決めてほしい」と述べた。

菅野村長は避難指示解除の目標時期を「最長で17年3月」としており、学校の再開時期も合わせた形。児童・生徒数が減少し、避難指示解除後に村内で学校再開が不可能となることを危惧しての再開方針と説明しており、取材に対し「生徒に大変な思いをさせるが、前向きに判断してほしい」と苦渋の方針だと強調した。

村は幼稚園と中学校の仮設園舎・校舎を福島市飯野町に、小学校の仮設校舎を川俣町にそれぞれ設け、授業を行っている。子どもたちの多くは福島市や伊達市、川俣町で避難生活を送るため、村はスクールバスを運行して児童生徒の送迎を行っている。


<全村避難>卒業はどこで…中学校再開へ対話

2016年01月20日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160120_63006.html
東京電力福島第1原発事故で全村避難する福島県飯舘村の菅野典雄村長は19日、福島市に仮設校舎を置く飯舘中の1年生31人と懇談し、2017年4月に村内で学校を再開する村の方針について意見を交わした。
菅野村長(左)に質問する女子生徒
菅野村長は「17年4月に幼稚園と小中学校を再開したい。大変な判断をしてもらう可能性があるが、前向きに考えてほしい」と要望した。

17年4月に再開した場合、現在の中学1年は高校受験を控える中学3年への進級を前に、村内の学校に通うか転校するかの選択を求められる。

生徒からは「この学校で卒業したい」「私たちが村に帰るメリットはあるのか」などの声が上がった。卒業前の同級生との別れを意識して涙ぐむ生徒もいた。

佐藤安美さん(13)は「また友人と離れ離れになるのは嫌だ。中学3年は落ち着いた場所で受験勉強をしたい」と話した。

同村は帰還困難区域の長泥地区を除き、17年3月までの避難指示解除を目指している。

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