2016/01/21

避難者が意見交換 知事と借り上げ住宅問題など /山形

2016年1月21日 毎日新聞

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による県内への避難者7人と吉村美栄子知事の意見交換会が20日、米沢市役所で非公開で開かれた。県によると、福島県が自主避難者向けの民間借り上げ住宅(みなし仮設)の無償提供を来年3月で打ち切るとの方針を示したことに対し、「原発の廃炉までは30〜40年かかるのに、なぜ借り上げ期間は短い間で終了してしまうのか」と不条理を感じる声などが挙がったという。

県によると、1月7日現在の県内の避難者数は3495人。昨年12月時点で全国で6番目に多いという。意見交換会は通算7回目で今回は米沢市の中川勝市長や福島県の担当者も参加した。避難者から「自由に意見を述べたい」との意見を受けて、初めて非公開で行われた。

このほか、避難者からは山形に定住する場合の住宅面や開業支援などの要望が相次いだという。吉村知事は終了後、「定住を考えている人もいた。市町村と連携し、できる限りの支援をしたい」と述べた。

南相馬市から米沢市へ避難し、避難者支援センター「おいで」の事務長、上野寛さん(51)は「長期スケジュールが見えない中での借り上げ住宅提供の打ち切りは、避難者の心にさらなる不安を与える」と述べた。さらに、「終了後の支援を福島県が独自に考えているようだが、避難者の中でばらつきが出ると思うので、不公平感が出てくるのではないか」と話した。【野間口陽】

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