2016/03/11

福島の子たちに健康を 広域避難世帯と歩む「きらきら星ネット」の5年間


東日本大震災と、続く東京電力福島第一原発事故の発生から、11日で5年を迎えた。広域避難世帯の支援活動を続けるボランティア団体「きらきら星ネット」主催の「311きらきら展示会」が21日まで、東京・四谷にあるニコラ・バレ修道院で開催中だ。今回で3回目となる展示会では、2015年の活動を中心に、写真を通して「5年たった今こそ共に生きる」とのメッセージを伝えている。

ニコラ・バレ修道院の1階ロビーの壁面には、昨年5月に子どもたちと行った「横浜こどもの国」への遠足に始まり、博多市、静岡県裾野市、福岡県行橋市で行われた夏の保養リフレッシュプログラムでの元気いっぱいの子どもたちの姿を見ることができる。また、広島原爆記念日に合わせて行った広島・福島平和交流プログラムや、山形カトリック教会(山形市)とシャトル聖パウロ教会(東京都千代田区)でのクリスマス会などの様子も写真で紹介されている。

311きらきら展示会=5日、ニコラ・バレ修道院(東京都千代田区)で

きらきら星ネット代表の一人、岩田鐡男さんによると、今後広域避難者が抱える最も大きな課題は「住まい」だという。政府は広域避難者について、避難用住宅の提供を2017年3月までと定めている。

きらきら星ネットはこの撤回を求めて、東京災害支援ネット(とすねっと)が主催する広域避難者集会の共催となったり、署名運動への参加や福島原発被害東京訴訟への傍聴を呼び掛けたりしてきた。岩田さんは、原発への不安がいまだ拭いきれない中で、避難先の住まいを奪われれることは事実上の帰還の強制であり、何としても政府の決定を撤回させたいと話す。

また、福島の子どもたちに今必要なのは「保養」と「健康回復」で、リフレッシュプログラムを今後さらに充実させたいという。同プログラムは、福島原発事故により避難している家族、また福島で不安を抱えながら生活している家族の心身の回復を図り、放射能の心配のない環境でゆっくり保養し、そこで楽しい思い出を作れるよう計画したもの。21日間保養したことで、内部被ばくの数値が2分の1以下になったことが、ベラルーシにあるベルラド放射能安全研究所の調査で明らかになっている。


きらきら星ネットは、福島原発の被ばく者、特に子どもたちの健康回復に効果がある同プログラムへの支援を呼び掛けている。このために、豪州イエズス会修道院が建つクレアバレーのワイナリーで作られたオリジナルワインの頒布を行い、寄付を募っている。寄付の全額が同プログラムのために使われる。

ワインは、赤、白とも750ミリリットルで、ラベルには『絵と詩の祈り ひまわりの丘―福島の子どもたちとともに』の著者で、きらきら星ネットの信木美穂さんによるイラストが描かれている。1本2千円を目安に寄付を募っている。

リフレッシュプログラムへの寄付を募るために頒布しているオリジナルワイン

6本以上で送料無料。2016年5月までの受付となっているが、その後も問い合わせは可能。申し込みは、件名「ワイン申し込み」、名前、住所・郵便番号、希望本数(赤・白)を記載の上、メール(clckirakirawine311@yahoo.co.jp)またはファックス(04・7153・4892)で。

なお、贈答用で、送付先が住所と違う場合はその旨を明記のこと。電話での問い合わせは、きらきら星ネット&CLC被災地支援デスク企画(080・8729・1315、水曜日正午~5時)。

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