2016/11/17

【報道まとめ】宮城・栗原市/<汚染牧草>堆肥化減容実験

<汚染牧草>堆肥化実験 放射性物質移行なし

2016年11月17日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201611/20161117_11018.html

東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された廃棄物の処理を巡り、宮城県栗原市の委託で汚染牧草の堆肥化実験を進めてきた環境プラントメーカーの共和化工(東京)は16日、堆肥を活用して育てた植物に放射性物質が移行しなかったとする分析結果を市に報告した。市は結果を踏まえ、県が提案する廃棄物の試験焼却の可否を判断する。

同社によると、7~10月に同市金成のビニールハウスで植物の育成実験を行った。1キログラム当たり3000ベクレル前後の牧草約2トンに微生物や水、牛ふんなど計約20トンを混ぜ、約270ベクレルになった堆肥を使用した。

ハウスには、(1)化学肥料のみ(2)汚染牧草を使った堆肥を1平方メートル当たり3キログラム(3)同20キログラム(4)汚染牧草を混ぜない堆肥2キログラム-を与えた4試験区を設定。各区で花、葉物、牧草、根菜、果菜の5種を育て放射性物質濃度を比べた。

結果は全品目が検出限界値(1キログラム当たり10ベクレル)未満だった。全区画で高温障害が生じた牧草を除き、良好に育った。

市役所であった報告会で実証実験のアドバイザーを務める松井三郎京大名誉教授(環境工学)は「数値を見れば安心できる処理方法だ。微生物を使い自然環境に戻すという点も理にかなっている」と述べた。

佐藤勇市長は「焼却への市民の反発は根強い。堆肥化を視野に入れながら今後の方針を検討する」と話した。試験焼却の可否については12月の市町村長会議の日程を考慮しつつ結論を出すという。



植物の生育 影響なし…栗原、堆肥化減容実験

2016年11月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20161116-OYTNT50266.html

東京電力福島第一原発事故で汚染された牧草のうち、国の基準値(1キロ・グラムあたり8000ベクレル超)を下回るものについて、栗原市が進めている堆肥化による減容化実験でできた堆肥を使った植物栽培実験の結果が16日、委託業者から市に報告された。いずれの植物からも放射性物質は検出されず、生育にも影響はなかった。基準値以下の放射性物質を含む廃棄物については、県が県内一斉焼却処理する方針を示しているが、佐藤勇市長は「減容化に踏み切ることも視野に検討したい」と話した。

栽培実験は、減容化実験でできた国の基準値(同400ベクレル)以下の265ベクレルの堆肥を使用。土壌に〈1〉化学肥料のみ〈2〉堆肥を1平方メートルあたり3キロ・グラム〈3〉同20キロ・グラム〈4〉通常の堆肥を同2キロ・グラム――を混ぜた4区画で実施。土壌の放射性物質濃度は約40~約88ベクレルで、各区画でコスモス、ニンジン、枝豆など7種類の植物を育てた結果、いずれの植物からも放射性物質は検出されなかった。

堆肥化実験では、汚染牧草の重量は10分の1に減容され、放射性物質濃度も6分の1程度に低下することが報告されている。実験の評価委員を務める松井三郎・京大名誉教授(環境工学)は「堆肥化はうまく完了し、作物にも影響を与えず、素晴らしい成果が得られた」と話した。

一方、県が示した試験焼却について、佐藤市長は同日の定例記者会見で、今年度から焼却施設の大規模改修工事に入っている点を挙げ、「試験焼却を行う能力のある施設とは思えない」との見方を示した。

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