2016/11/11

【報道まとめ】OECD原子力機関会議閉幕 食の安全/福島

食品安全対策を評価 OECD原子力機関会議閉幕
2016年11月11日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016111136350


東京電力福島第一原発事故後の食品安全科学を考える経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の国際ワークショップは10日、福島市のコラッセふくしまで議論を総括し、閉会した。参加者の代表が記者会見し、県産農林水産物の放射性物質対策を「非常に効果が高い」と評価した。


会見で進行役を務めたNEA放射線防護・放射性廃棄物管理課課長補佐のエドワード・ラゾ氏は県産食品の生産管理や検査態勢に触れながら「国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)をはるかに下回る食品を生産できるようになっている」と述べた。英国で放射線防護に携わるアン・ニスベット氏は「稲作や果樹栽培など、欧州に知見の少ない農業でも特性に合わせた対策が取られている」と認めた。


食品の国際規格を決める政府間組織コーデックス委員会の技術アドバイザーを務めるロブ・ティーレン氏(オランダ)は今回、NEAから提案された食品中の放射性物質濃度に関する国際的な議論を来年にも始める意向を示した。


ワークショップは内閣府の共催。放射線防護、食品安全などの海外の専門家約20人を迎えた。現地視察を含めて4日間、農林水産物への放射性物質の吸収抑制対策や、流通前の検査の在り方などについて意見を交わした。



記者会見に臨むロブ氏(中央)ら参加者










食の安全確保...「世界でベスト」 研究者が科学的見地から評価
2016年11月11日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161111-126291.php


経済協力開発機構(OECD)傘下の国際組織OECD原子力機関(NEA)の「食品安全科学国際ワークショップ」最終日は10日、福島市で開かれ、3日間の議論を総括した。東京電力福島第1原発事故から5年余り、県内で取り組まれてきた食品の放射性物質対策について、各国の研究者は科学的な見地から「世界でベスト」などと評価した。


フランス原子力保護評価センターのテイリー・シュナイダー副所長は記者会見で、県内ではチェルノブイリ原発事故の経験を踏まえた対策が「迅速に実行され、非常に効率的で新しい対策も行われている」とした。


NEA放射線防護・公衆衛生(CRPPH)委員会のマイク・ボイド議長は「福島で素晴らしい科学が生まれている。万一、他国で原発事故が起きた場合の対応について学ぶことができた」と国際的な意義を強調した。


一方、記者会見後に開かれた一般参加者向けの報告会では、国内外に根強く残る風評被害の払拭(ふっしょく)や、帰還困難区域などでの農業再生など、今後克服すべき課題の共有が図られた。


1月までに議論開始 食品の放射性物質濃度「国際基準」
2016年11月10日 福島民報
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/11/post_14416.html


経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)は来年1月までに、食品中の放射性物質濃度に関する国際基準の新設に向けた議論をNEA加盟国など34カ国と始める。安全性を判断するための統一的な指標を設け、東京電力福島第一原発事故後に一部の国で続く日本産食品の輸入規制緩和につなげる。


NEAのエドワード・ラゾ放射線防護・放射性廃棄物管理課長補佐が9日に福島市のコラッセふくしまで開かれたOECD/NEAの国際ワークショップの講演後、福島民報社の取材に対し明らかにした。


食品中の放射性物質濃度に関する基準は各国で開きがあり、品目によっても異なる。食品を輸入する際に安全の「お墨付き」となる世界共通の指標ができれば、県産品の輸出の再開や拡大につながると期待される。


新たな国際基準の単位は「キロ当たりベクレル」で品目によって変えない。放射性物質を含む食品を最も多く消費する地域住民の年間消費量や、1年間消費し続けた場合の内部被ばく線量などを踏まえて決める。


34カ国は米、英、仏、独などNEA加盟の31カ国と、中国、アルゼンチン、ブラジル。NEAは合意形成に向けた議論をNEA内の放射線防護・公衆衛生委員会で開始する。加盟国を中心とする放射線の専門家らが国際基準の科学的根拠などを検討する。


ラゾ氏は各国の合意時期について「政治的な判断となるため読みにくい」としながらも、「できるだけ早期に基準を一本化できるよう努めたい」と語った。


■10日総括一般入場可


ワークショップにはOECD加盟国の放射線防護の専門家や県内の研究者らが参加している。9日は食品の安全確保に向けた提案やチェルノブイリ原発事故後の事例報告などが行われた。県農業総合センターや県水産試験場の研究者らが県産農林水産物の放射性物質の影響や吸収抑制対策について講演した。


最終日の10日は初日と2日目の総括を行う。午後1時半からは一般の入場が可能で、講演者への質問を受け付ける。


食品中の放射性物質濃度に関する
国際基準を設ける必要性を語る
エドワード・ラゾ氏


















事故後、食の安全管理考える 国内外の研究者ら、福島でワークショップ /福島
2016年11月9日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20161109/ddl/k07/040/020000c


東京電力福島第1原発事故後の食の安全管理について、科学的な見地からの理解を深める国際ワークショップが8日、福島市のコラッセふくしまで始まった。経済協力開発機構(OECD)原子力機関の主催。国内外の研究者や行政関係者らが10日まで、農林水産物の放射線対策などの現状について報告する。


この日は、厚生労働省の担当者らが、事故後、農産物に含まれる放射性物質を調べるために始めたスクリーニング検査の体制や取り組みなどを説明。県の担当者も、独自に実施している県産米の全量全袋検査について、昨年度以降、基準値を超えるコメが出ていないことを報告した。


また、講演に立った福島大経済経営学類の小山良太教授(農業経済学)は、福島の農産物の販売戦略について「『おいしい』というイメージではなく、どこかの段階で、安全宣言のようなことをやる必要がある」と強調し、コメの全量全袋検査の取り組みなど安全性についてのアピールを優先するよう訴えた。


9日以降は、農作物が放射性物質を吸収する仕組みと対策についての研究成果やチェルノブイリ原発事故(1986年)で影響を受けた欧州各国の放射性物質に関する食品規制などについて発表がある。(曽根田和久)





0 件のコメント:

コメントを投稿