2016/11/09

大分/避難者つながる契機に 東日本大震災「不安や葛藤、打ち明けて」

2016年11月9日 大分合同新聞
http://this.kiji.is/168835020079611913

東日本大震災の影響で福島県などから大分県に避難している人たちの交流・相談会が20日、大分市の県総合社会福祉会館である。九州に避難している人たちでつくる「うみがめのたまご~3・11ネットワーク~」(宮崎県、古田ひろみ代表)の主催。古田さんは「避難者同士がつながるきっかけにしたい」と参加を呼び掛けている。

古田さんは千葉市出身。東日本大震災による東京電力福島第1原発事故が、小学校入学を控えた長男の体調に影響するかもしれないと懸念し、宮崎県内に自主避難した。

地域住民は優しく接してくれているが、将来への不安などを誰にも相談できずに一人で抱え込んでいたという。「心理的な居場所がなかった」と振り返る。

宮城県と千葉県から宮崎県内に避難していた2組の親子に出会ったことで「一緒に考えていく仲間ができ、気持ちがほぐれた」。ようやく素直な気持ちになったとき、涙があふれたという。

避難者同士で思いを分かち合う交流の場をつくる必要性を実感。千葉で子育て支援活動をしていたノウハウを生かし、これまでに150回以上の交流会を宮崎県内を中心に福岡、鹿児島など各県で開催してきた。

震災から5年以上が過ぎた。「ふとしたときに、古里に戻ったほうがいいのか、このままでいいのかと気持ちが揺れることがある」と古田さん。不安や葛藤を安心して打ち明け、支え合うために交流会を開く。

20日は、福島県職員が住宅などの支援策を説明。司法書士による個人相談も受けられる。午前の部(午前10時から)と午後の部(午後1時から)がある。事前申し込み制で、参加は無料。要望に応じて大分での交流会を継続する。

問い合わせ、申し込みは午前10時~午後4時に古田さん(TEL080・6679・4899)へ。

<メモ>
県被災者受入対策室によると、東日本大震災により大分県に避難している人は、69世帯、172人(10月末現在)。福島県からが43世帯、101人で最も多く、千葉県、宮城県と続く。ピーク時の2011年9月には168世帯、381人が大分県内に避難していた。
宮崎市で開かれた避難者の交流会 

 

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