金銭トラブルと警察連絡、学校対応せず 原発避難いじめ
2016年11月18日 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASJCL2SF7JCLULOB001.html
福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒(13)がいじめを受けて不登校になった問題で、神奈川県警から男子生徒と同級生との金銭トラブルについて情報提供があったにもかかわらず、学校や市教育委員会が積極的に対応していなかったことが、男子生徒の代理人弁護士への取材で分かった。
「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記
代理人らによると、自宅に保管していた生活費がなくなっていることに気付いた保護者が2014年7月、同級生から金銭を要求されたと県警に相談。県警が調査したところ、同級生らの遊興費や飲食代など5万~10万円を負担することが10回ほどあったことが判明した。ほかに同級生らにエアガンを買ったこともあったといい、遊興費などと合わせた総額は約150万円に上るという。
県警は事件化は見送ったが、14年10月、保護者に調査結果を報告。11月には学校に伝えた。しかし学校側は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」とは認定しなかった。同法はいじめが不登校、財産被害など深刻な結果を招いた疑いがある場合は「重大事態」として第三者委員会で調べるよう義務づけている。
保護者は県警からの報告を受け、市教委にも対応を求めたが、市教委からは「指導はできるが、介入はできない」との回答があったという。(大森浩司)
横浜・避難生徒いじめ 「被害150万円」学校動かず
2016年11月17日 毎日新聞http://mainichi.jp/articles/20161118/k00/00m/040/122000c
神奈川県警の調査で把握
福島の原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中1男子生徒のいじめ問題を巡り、当時通っていた小学校や横浜市教育委員会が、神奈川県警の調べで金銭トラブルの被害総額が約150万円に上ることを把握していたのに、積極的に対応していなかったことが分かった。保護者は県警から伝えられた被害総額を学校、市教委に伝えていた。生徒側の代理人などによると保護者は2014年7月、県警に同級生から金銭を要求されたことを相談。県警がゲームセンターの防犯カメラ映像などを調べたところ、加害者側が1回あたり10万円単位の金銭を浪費していたことが分かった。
生徒が要求された金銭は交通費や飲食費、遊興費に使われた。当初は1回5万円ほどだったが、次第に増え、最終的に合計額は約150万円に上った。金銭は加害者側に「(原発事故の)賠償金があるだろ」などと言われ要求されたが、生徒は保護者に打ち明けられず、生活費を持ち出していたという。
生徒は同年6月に2度目の不登校になっており、保護者は県警の調査結果を学校、市教委に伝えたが、学校側はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」とは捉えず、問題を放置していた。
市教委は15日の記者会見で金銭トラブルに触れ、岡田優子教育長が「不登校が始まって1カ月以上が経過し、金品の問題が持ち上がり、重大事案と認識すべきだった」と釈明。放置していた認識の有無を問われて「ある」と回答していた。
市教委の第三者委員会は「万単位の金銭のやり取りを把握しながら『おごった』側、『おごられた』側への十分な指導が行われた形跡が認められない」と学校と市教委を批判した。【水戸健一】
ニュースサイトで読む: http://mainichi.jp/articles/20161118/k00/00m/040/122000c#csidx25ca39f0121b5d4ad4f8ab6f4f8de4f
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