2016/11/28

「原子力災害、救助法を」 避難者ら、住宅問題など討論/山形


2016年11月28日 毎日新聞

東京電力福島第1原発事故に伴う県内への避難者らによるパネルディスカッションが27日、山形市城西町2の市男女共同参画センター「ファーラ」で開かれた。約80人が来場し、来年3月末で自主避難者への住宅無償提供が打ち切られることなどについて、避難者らの思いに耳を傾けた。

脱原発を求める市民団体でつくる実行委員会が主催。討論には、福島市や南相馬市からの避難者や県内外の支援者ら6人が参加した。

川俣町出身で米沢市に避難している高校教諭、佐藤博幸さんは「除染には今年度までに数兆円がつぎ込まれていると聞いている。これに比べれば住宅支援は圧倒的に少ない額で、十分できるのではないか」と話した。南相馬市から米沢市に避難している上野寛さんは「現在の住宅支援は、自然災害を想定した災害救助法に基づいており、5年が過ぎて『応急救助』に当てはまらないと言われるが、実態にそぐわない」として、「原子力災害の災害救助法を作るべきだ」と主張した。

また、福島市に住む大浪政輝さんは「震災から5年がたち、避難先でできた友人を切り捨ててでも、子供たちに福島に今すぐ帰ってこいとは言えないはずだ」と、涙ながらに訴えた。【野間口陽】

討論する避難者や支援者=山形市城西町2の市男女共同参画センター「ファーラ」で

0 件のコメント:

コメントを投稿