2016/11/16

サッカー振興一丸で挑戦 Jヴィレッジ31年復活追い風に /福島


2016年11月16日 福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2016111636490

県はJヴィレッジ(楢葉・広野町)の平成31年の全面再開を見据え、関係団体と協力して県内サッカーの裾野拡大や競技力向上に乗り出す。日本サッカー協会(JFA)や県サッカー協会、JFAアカデミー福島、県内主要クラブと連携して交流大会や出前講座、指導者養成などを各地で展開。「本県サッカーのシンボル」の復活を機に、スポーツを通した復興の機運を高める。15日に関係者の初会合で方針を確認した。

県はJヴィレッジの再生計画と合わせたサッカー振興策「再チャレンジに向けた取り組み」の素案を示した。(1)子どもがサッカーに触れる機会や環境づくり(2)年齢や性別に関わらない多様な取り組みの応援(3)トップ選手の育成・強化策の充実-を主な視点に掲げた。

選手の育成・強化では、中学・高校年代で県勢チームの「全国大会で8強、4強入り」など具体的な成績目標を掲げて関係団体が連携して強化策を展開することを検討していく。県内チーム数が少なく実戦機会が限られている高校女子の交流大会や静岡県に一時移転しているJFAアカデミー福島の選手を招いた交流試合なども想定している。不足している審判員や指導者の養成研修の充実も目指す。

競技の普及・拡大に向けては、児童や女子を対象とした交流フェスティバル、サッカーJ3の福島ユナイテッドFC(福島U)や県社会人リーグに所属し、Jリーグ入りを目指すいわきFCの選手らによる出前講座を盛り込んだ。

県は関係団体の意見を聞き取った上で、振興策に盛り込む具体的な内容を今年度内に固め、実施可能な事業から平成29年度内にスタートさせたい考えだ。

■連携へ意見交換県と各団体

初会合では出席者がJヴィレッジ再開後の利活用や指導力の向上、日常的にサッカーに親しめる環境づくりをテーマに意見を交わした。

JFAアカデミー福島の中田康人男子チーフコーチはアカデミーを県内に戻す時期の検討がJFA内で始まったとし、「福島と交流を続けながら準備に最善を尽くす」と述べた。Jヴィレッジを運営する日本フットボールヴィレッジの小野俊介取締役統括部長は福島Uなどクラブチームの指導者の中学・高校への派遣を提案。再開後の大会招致や団体客確保の意欲を語った。

福島Uを運営するAC福島ユナイテッドの鈴木勇人社長は県出身のJリーガーが少ない現状を伝え、選手・指導者育成の重要性を説いた。いわきFCの運営会社いわきスポーツクラブの大倉智社長は男女の下部組織を設立する構想を示した。

県サッカー協会の小池征会長は「県内の各団体が盛り上げるという観点で構想を進めていきたい」と連携強化を呼び掛けた。


■県が素案で示した事業
(1)キッズ交流フェスティバル
(2)女子交流フェスティバル
(3)高校女子サッカー交流大会
(4)JFAアカデミー福島選手の招聘(しょうへい)
(5)プロチームなどによるサッカー出前講座
(6)審判員・指導者養成研修会

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