2015年4月6日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150406_11009.html
環境省が5日、仙台市内で開いた指定廃棄物最終処分場建設に関する説明会は、建設候補地などの住民らと意見を交わす初の機会となった。施設の危険性を訴える住民側に対し、環境省は安全性と県内1カ所での処理の必要性を繰り返し強調、議論は平行線をたどった。会場からは「計画を進めるためのアリバイ作りか」との声も上がった。
「どんなに安全な施設だと言っても必ず壊れるのが3.11の教訓だ」。大槻憲四郎東北大名誉教授は環境省が言う安全性に異を唱えた。候補地の一つ、加美町の男性も「どんなに強固な施設でも100年持つはずがない」と同調した。
指定廃棄物を各県内で処理することを定めた放射性物質汚染対処特措法の見直しを求める声も相次いだ。泉区の男性は「法律を見直し、皆が納得できる処分計画に作り直すべきだ」と強調。栗原市の男性は特措法改正に加え、福島県内の原発敷地への集約処理を提案した。
環境省の担当者は、特措法改正について明言を避け、福島集約に関しては「一番の被害者の福島にさらに負担は強いられない」と否定した。
初の説明会が、候補地の正式提示から1年以上過ぎた時期に開かれたことにも批判と不満が渦巻いた。加美町の団体職員後藤利雄さん(56)は「計画を進めるため県民に説明したという環境省のアリバイ作りそのものだ」と批判。同町は県内3候補地の中で唯一、国の詳細調査に反対しており「調査に入るための布石だろう」といぶかった。
栗原市の市民グループ「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」の鈴木健三代表(72)は「国は今までの説明を繰り返しただけだ。納得できない」と突き放した。
環境省との意見交換で発言を求める参加者 |
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