2015年4月12日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150412_61010.html
福島県は県外から修学旅行や林間学校などで県内の宿泊施設を利用する学校に費用の一部を補助する制度を始めた。修学旅行先に福島県内を選ぶ学校は東京電力福島第1原発事故後、大幅に減少したまま。県は巻き返しを図るため、本年度当初予算に関連経費1億5000万円を計上した。
対象は県内に宿泊を伴う教育旅行で訪れる県外の小中高校。原発事故後、初めて県内を旅行する学校には、バスの費用を1台につき2分の1か5万円までを補助する。1校当たり20万円が上限になる。
既に訪れたことがある学校には、再生可能エネルギーに関する学習や東日本大震災の語り部の講話など、原発事故に関連した行程を組んだ場合に補助する。上限はバス費用の2分の1か2万5000円で、1校当たり10万円と設定した。対象期間は来年3月末まで。申し込みが予算額に到達し次第終了する。
県観光交流課によると、2013年の県全体の観光宿泊者は4831万人で原発事故前の10年の84.5%まで回復した。ただ、教育旅行は10年度の67万人に対し、13年度は32万人と5割に届いていない。
関東圏を中心に、福島県産食品の安全性や放射線量を気にして福島を敬遠する傾向が保護者の間に根強く残っているという。同課の担当者は「教育旅行が回復しなければ、福島全体の復興は実現しない。県内を訪れた子どもたちが将来、福島へのリピーターになってほしい」と話す。
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