2015/04/15

島根/「スクールMARIKO」:原発、福島学ぶ 発起人・浜田さんが3年目の心境 1ミリずつでも前進

毎日新聞 2015年04月15日 地方版
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20150415ddlk32040511000c.html

東日本大震災による福島第1原発事故を受けて、福島の現状や放射能などについて学ぶ勉強会「スクールMARIKO」が、3年目を迎えた。松江市在住のミュージシャン、浜田真理子さん(50)がスタートさせたスクール。今年は18日から始まり9月まで計5回開催する。浜田さんは「未来につながるよう若い人にも来てほしい」と呼びかけている。

◇18日から松江で計5回

−−3年目を迎えての心境は。

浜田 世の中の状況として、福島の話があまり出なくなったのでさびしい面はあるが、スクールをやり続けると言った以上、やる。スタッフを増強でき、応援してくれる人が増え、認知度も上がってきた。1年目は説明がいっぱい必要だったが、今は「スクールはそろそろですね」と言われるようになった。内容は濃くなっている。未来につながるように縦横に広げ、若い人、特に高校生や大学生にも来てほしい。今年は学割も設けている。

−−気をつけている点は。

浜田 こちらだけで盛り上がって、“ずっと福島を応援している私たち”みたいになってはいけない。長くやっているとそうなりがち。福島を見るのを忘れると本末転倒になる。一方で、今年は結局5人しか呼ばないわけだから、5人の意見だけを聞いて福島が分かったようなつもりになるのも危険。個人の、あくまで「点」の意見だし。だからこれからも「点」をいっぱい打っていくしかないと思う。全体を見ながら個別も見る、近くと遠くを見る、みたいなね。

−−今後は。

浜田 腹は決まっているので、これからはどう続けるかを考えないといけない。1年目はどうやって始めるか、やってみたらあまりにも問題がでかいことが分かって、そんなにすごいことはできないと気がついた。2年目はこれでやっていこうと思い、3年目になると、自分にとって恒例行事のようになっている。ただ、スタッフも増えたので、運営が楽になるようにしないといけない。無報酬の活動なので、スタッフの士気が下がらないようにして継続することに気を配っている。

−−現在も汚染水や原発の“ごみ”問題は解決していない。しかし世間の関心は薄い。


浜田 そうゆうものかな。スクールも、いつまで続くか、という目できっと見られていると思うので、そこは負けないぞと思っている(笑)。ただ、原発だけではなく、戦争や沖縄、水俣病などいろいろな問題に関心が行くようになった。1ミリずつでもよくなっていくと信じてやっていくしかない。スクールは、自分で考える練習をする会だから、見に来るだけで、世の中を見る目が少し変わるのではないかと思う。態度を決めてから来て、というような堅苦しいものではない。気楽な気持ちで来てほしい。

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 「スクールMARIKO」のスケジュールは次の通り。

18日午後6時、松江市市民活動センター5階交流ホール、リクオとマリコトーク&ライブ、3000円
5月23日午後3時、カラコロ工房地下大金庫室、「福島で見てきたこと〜医療・報道の立場から」島根大医学部教授の神田秀幸氏、山陰放送カメラマンの花田真司氏、2000円(学生半額)
6月20日午後3時、同所、映画「原発の町を追われて」上映とトークショー、映画監督の堀切さとみさん、2000円(同)
7月18日午後3時、同所、「避難者を受け入れる側」山形市避難者交流支援センター職員の内藤真紀さん、2000円(同)
9月26日午後3時、同所、「心に湯気をたてて〜五年目の福島」詩人の和合亮一氏、2000円(同)。

 問い合わせはNPO法人松江サードプレイス研究会(070・5673・7778、メールschoolmariko@gmail.com)。スクールMARIKOのホームページ(http://schoolmariko.com/)

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