2015年4月17日 時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015041700645
東京電力福島第1原発事故の影響で放射線量が局地的に高い「特定避難勧奨地点」に指定されていた福島県南相馬市の住民ら約530人が17日、まだ安全と言えないのに国が昨年12月に指定を解除したのは不当として、国に解除取り消しと1人10万円の慰謝料を求める訴訟を東京地裁に起こした。弁護団によると、原発事故に伴う国の避難基準の妥当性を問う訴訟は初めてという。
特定避難勧奨地点は、避難指示区域ではないが、生活形態によって年間被ばく線量が20ミリシーベルトを超える恐れがあるとされる地点。指定された世帯は、税の減免などの支援や東電からの賠償支払いの対象となっていた。政府は昨年12月、基準を下回ることが確実として、最後まで残っていた南相馬市の152世帯の指定を解除した。
提訴後に記者会見した原告で地元区長会会長の菅野秀一さん(74)は「国際基準と比べ、年20ミリシーベルトはあまりにも高い」と指摘。この基準を基にした解除は不当と訴えた。
政府の原子力災害現地対策本部の話 除染で、線量が年間20ミリシーベルトを十分に下回る状況になっていることを確認している。
特定避難勧奨地点の解除取消求め提訴
2015年4月17日 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150417/k10010051861000.html
原発事故の影響で局地的に放射線量が高くなったとして「特定避難勧奨地点」に指定され、去年12月に解除された福島県南相馬市の住民などが、「指定解除の国の基準がおかしい」として解除の取り消しを求める裁判を東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、南相馬市で「特定避難勧奨地点」に指定されていた地域やその周辺に住んでいた130世帯余りの住民です。
国は去年12月、「除染などの結果、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトの基準を下回った」として指定を解除しましたが、原告の住民は「国際基準では公衆の被ばく限度は年間1ミリシーベルト以下で、国の解除の基準はおかしい。住民の生存権を侵害している」と主張して、国に対し指定解除の取り消しと1人当たり10万円の慰謝料を求めています。
住民側の弁護団によりますと、原発事故による避難地域の指定解除の妥当性を問う裁判は初めてだということです。この地域の住民は指定が解除されたあとも健康不安などからほぼすべての世帯が避難生活を続けているということで、原告代表の菅野秀一さん(74)は、「指定が解除されても若い人は1人も帰ってこない。子どもたちが安心して暮らせるような対策を取ってから解除してほしい」と話しています。
これに対し国の原子力災害現地対策本部は、「指定解除については国際的・科学的知見を踏まえて決定された要件である、年間20ミリシーベルトを十分下回る状況になっていることを確認のうえ行っている。解除にあたっては丁寧に住民の理解を得るべく住民説明会を行ったほか、相談窓口の設置や線量測定などの取り組みを行っており、解除後も継続して行っている」というコメントを出しました。
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