2015/04/24

医療被曝、どう減らす CT検査など統一基準

(311以降、常時低線量被ばくを受けている子どもたちに、余分な医療被ばくをさせないために、こうした情報も知っておく必要があります。日本は医療被ばく三昧の国。ようやく統一基準がつくられつつある段階です。CTを撮るというのは、緊急時も多いです。なるべく過剰な被ばくを減らすよう管理をしている医療機関を知っておくといいかもしれませんね。子ども全国ネット)

2015年4月24日 朝日アピタル
http://apital.asahi.com/article/iryou/2015042100010.html


病気の診断に欠かせない放射線検査を、できるだけ少ない被曝(ひばく)で行うにはどうすればいいか。関連学会などで作る団体「医療被ばく研究情報ネットワーク」が18日にまとめた統一基準は、過剰な医療被曝を抑えるための大きな一歩だ。検査方法の工夫などで実際に線量を減らしている医療機関もある。

■工夫次第で抑制可能

検査に伴う医療被曝をなるべく減らしていくことは世界の潮流になっている。検査機器の普及で被曝線量が増えていることや、機器の操作ミスによる過剰被曝事故などが背景にある。

とりわけ被曝線量を押し上げているのがCT(コンピューター断層撮影)検査だ。X線発生装置を体の周囲で回転させながら照射することで輪切りの画像を撮影するCTは、単純に平面写真を撮る通常のX線検査と比べて、どうしても線量が大きくなってしまう。必要以上に強い放射線で撮影している場合もある。線量が高い方が鮮明な画像を得られるためだ。

医療被曝が病院によって大きくばらつく実態も明らかになっている。日本診療放射線技師会の2013年の調査では、たとえば成人の頭部CT検査の指標値の場合、回答した250病院で41.9~2316ミリグレイ・センチメートルという大きな差があった=グラフ。そもそも、きちんと実態を把握していない病院も少なくないといわれる。

今回の基準は、実態調査に基づいて定めた。上限ではないが、基準より高い場合は病院が原因を分析し、診断に支障がない限り下げることが求められる。

医療被曝は、病院側の工夫次第で減らすことが可能だ。埼玉県のある総合病院では5年前、技師会から「医療被ばく低減施設」の認定を受けて取り組みを強化。線量が多めだと指摘された頭部CTについて、骨の少ない頭頂部は線量を低くするなど撮影時の設定を部位ごとにきめ細かく切り替えることで、検査の質を保ちながら被曝を減らすのに成功した。

医療被曝に詳しい診療放射線技師の佐々木健さんは「脳卒中の診断は、最初は脳梗塞(こうそく)か脳出血か不明なので高い線量で詳しく調べるのは仕方ないが、脳出血と分かった後の経過観察では下げられる」と説明する。

ただ、現状では医療被曝の低減に取り組むかどうかは病院任せだという。神奈川県放射線技師会の渡辺浩理事は、「医療被曝を減らす取り組みをすると診療報酬が増えるようにしたり、病院機能評価の項目で評価したりするなど、病院が積極的に取り組みたくなるような制度づくりも必要だ」と指摘する。(会員サイトへ続く)










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