2015/04/06

福島・楢葉町:「準備宿泊」始まる…全域避難自治体で初


毎日新聞 2015年04月06日 
http://mainichi.jp/select/news/20150407k0000m040088000c.html

東京電力福島第1原発事故で、ほぼ全域が避難区域となった福島県楢葉町で6日、今夏の避難指示解除に向けた3カ月間の準備宿泊が始まった。国は早ければ7月にも避難指示を解除するが、それまでの間、町民に帰還への準備を進めてもらう。同時に、政府は避難指示解除後の日常生活の課題を把握し、環境整備に役立てる。

町は居住区域の全域が避難区域のうちの「避難指示解除準備区域」に指定されている。寝泊まりできる準備宿泊は田村市都路地区と川内村東部に次いで3例目で、全域避難の県内7町村では初めて。

政府の原子力災害現地対策本部によると、昨年10月実施の調査では約46%の町民が「町に戻りたい」と回答したが、準備宿泊に登録した町民は5日現在、182世帯382人と人口(2715世帯7438人)の5%にとどまる。そのほとんどが避難先の仮設住宅で暮らす高齢者だという。

同町によると、東日本大震災と原発事故があった2011年3月から4年が経過し、人が住まなくなったことによる荒廃で、修繕が必要な家屋が約1000軒ある。

町の担当者は「すぐに戻れない町民は少なくない。戻れる家があったとしても、子どものいる家庭の多くは、放射線への心配から帰還しないだろう」と懸念する。

 ◇避難区域◇

福島第1原発が2011年12月に冷温停止状態となったため、政府は12年4月から警戒区域と計画的避難区域を、帰還困難区域(年間積算放射線量50ミリシーベルト超)▽居住制限区域(同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下)▽避難指示解除準備区域(同20ミリシーベルト以下)−−に順次再編。線量の低い区域から除染など帰還に向けた事業を始める一方、線量の高い区域ほど賠償額を高くした。楢葉町は12年8月、住民が居住する全域が避難指示解除準備区域となった。


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