2015/10/02

生業訴訟 「健康不安は合理的」 同志社大・中谷内教授が証言 /福島

2015年10月02日 毎日新聞http://sp.mainichi.jp/area/fukushima/news/20151002ddlk07040058000c.html

福島県民ら約3900人が国と東京電力に原発事故の慰謝料と原状回復を求めた「生業(なりわい)訴訟」の第14回口頭弁論が先月30日に福島地裁(金沢秀樹裁判長)であり、原告側の証人として出廷した同志社大の中谷内(なかやち)一也教授(心理学)は「一般人が低線量被ばくに建康不安を感じるのは合理的だ」と証言した。

原告は県内全市町村と隣県の住民で構成されているが、精神的苦痛の根拠として「全員に共通する被ばくに対する健康不安」を挙げる。国側は、低線量被ばくについて「科学的には明らかな建康リスク増大の証明は困難とされている」として住民の不安は合理的ではないと主張してきた。

中谷内教授は、一般市民が考えるリスクと専門家が科学的に示すリスク評価が一致するとは限らないとしたうえで「低線量被ばくの危険性について専門家の間でもさまざまな見解があること自体が、市民の不安を増大させる」と証言。国側の「客観的データを知ることで不安解消に向かうのではないか」との指摘に反論した。

今回の口頭弁論で専門家5人の証人尋問が終わり、次回(11月17日)から5回に分けて原告計35人の本人尋問が行われる予定。【土江洋範】

0 件のコメント:

コメントを投稿