2015/10/02

放射能テーマにシンポ「白紙撤回求める」幕張メッセで人権大会開幕 千葉市処分場計画反対市民も登壇

2015年10月02日 千葉日報
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/280911



日本弁護士連合会の第58回人権擁護大会が1日、千葉市美浜区の幕張メッセなどで開幕し、シンポジウム「放射能とたたかう~健康被害・汚染水・汚染廃棄物~」が行われた。現役医師による講演のほか、放射性廃棄物の処分場問題について専門家が解説。千葉市中央区蘇我地区の最終処分場計画に反対する市民らも登壇し、来場した約630人が熱心に耳を傾けた。

同大会は日弁連最大のイベントで、千葉県内での開催は初めて。

シンポジウムは3部構成で進み、第1部「健康管理と医療体制」では福島県南相馬市などで被災者らを診療する坪倉正治医師らが講演。坪倉医師は「原発事故後、孤立などから病気になる高齢者が増加。健康影響は放射線被ばくによるものだけではない」と訴えた。

第3部「放射性物質に汚染された廃棄物」では、放射性廃棄物の専門家・関口鉄夫氏が登壇。処分場候補地に選定された茨城や宮城の現地写真を提示し「地盤が軟弱で、地滑りや雪崩などの可能性がある場所ばかり」と批判。「小さな自治体に押しつけ、反対運動を小さくするための立地選定。処分場の検討委員会には被災者や公害の専門家を入れるべき」と指摘した。

パネルディスカッションも行われ、蘇我地区の最終処分場に反対する「放射性廃棄物最終処分場に反対するちば市民の会」メンバーの長谷川弘美さんらが参加。長谷川さんはこれまでに行われた市民説明会の内容を報告し「環境省は『詳細調査を』と言うばかり。住民の意思を確認する場ではなかった。今後も全体の問題として白紙撤回を求めていく」と締めくくった。

参加した千葉市中央区の無職、川原文子さん(72)は「最終処分場問題に関心があったので参加した。分かりやすい解説で、良い勉強になった」と話した。

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