2015/10/08

<農水省・委託研究事業>購入物品をずさん管理

2015年10月8日 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20151009k0000m040026000c.html

農林水産省から研究事業を委託された研究機関が委託費で購入した物品の管理状況を会計検査院が調べたところ、事業終了後の継続使用の承諾を得ていないにもかかわらず、国に引き渡されていないものが少なくとも767点(購入価格約7億4510万円分)に上ることが分かった。うち19点(同約1164万円分)は研究機関が無断で処分したか紛失していた。検査院は農水省に物品管理体制の改善などを求めた。

委託費で購入した物品は原則、委託契約に基づいて事業終了後に国が引き取り、活用を図る。受託機関が継続使用を望む場合は国に申請して承諾を得る必要がある。

検査院は、2009~13年度に終了した研究を受託していた5独立行政法人が、委託費で購入した3万円以上の物品4219点(同約53億4859万円)の管理状況を調べた。

その結果、事業終了後に国へ引き渡された物品は、10年度の独法事業の見直しで「ほとんど使用されていない」と指摘された農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県)の収穫機(同約7500万円)1点だけだった。767点は継続使用の承諾がないのに国に引き渡されていなかった。

受託機関が無断で処分・紛失した物品は計29点(同1548万円分)で、うち19点は継続使用の承諾を得ていなかった。独法が管理したまま使用されていない物品も計232点(同2億3519万円分)あり、うち85点は承諾を得て継続使用されているはずだった。

農業環境技術研究所(茨城県)は福島第1原発事故後に委託費で購入した放射線測定器9点のうち、継続使用を認められた1点(同約51万円)を紛失した。紛失時点の価値に相当する金額を支払う意向だが、「毎年全物品の有無を点検しているわけではない」(担当者)ため紛失時期が不明で算出困難という。

農水省は「物品管理のチェックが不十分だった。今後は継続使用の申請の有無を徹底確認するとともに、受託機関に毎年全品点検と結果報告を求めることも検討したい」としている。【夫彰子】

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