2015年10月8日 東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201510/CK2015100902000172.html
高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場(長期管理施設)をめぐり、塩谷町は八日、九月の関東・東北水害を受け、町内にある候補地への影響を調べるため、環境省の現地調査を十四日に受け入れることを表明した。国が昨年七月に候補地を選定して以来、町が国の立ち入り調査を正式に認めるのは初めて。ただ、町と国は「処分場建設の前段となる国の詳細調査とは異なる」との認識で合意している。
国は詳細調査の受け入れを塩谷町に求め続けているが、町は一貫して拒否している。町役場で会見した見形和久町長は、詳細調査を拒む姿勢は今後も変わらないとした上で、「豪雨後の現地を確認してもらい、本当に適地なのか考え直してほしい」とした。
見形町長は、九月の記録的豪雨で候補地が一時冠水した可能性があると説明。付近を流れる西荒川が増水して岸を浸食し、倒木を引き起こしたとみている。会見に同席した町議会の増渕裕(ゆたか)副議長は「豪雨後の数日間は、候補地に複数の池ができていた」と報告した。
環境省は九月十三日、大田原市で開いた処分場計画に関するフォーラムで、「(豪雨後に候補地の安全確認をした際)川側から冠水した状況はなかった」と説明。これに反発した塩谷町が、豪雨後の候補地の様子を収めた映像を環境省へ提出した。九月下旬に国から調査の提案があり、町民の反対同盟会や町議会で協議し、受け入れを決めた。
十四日の調査は、環境省、塩谷町、県の職員らが合同で実施する予定。候補地の測量や掘削はせず、水や土砂が流れ込んだ形跡などを実際に目で見て確認するという。
(大野暢子)
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