2015/10/05

楢葉のコメ、県外に提供へ

2015年10月05日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20151004-OYTNT50110.html



実証栽培された稲の刈り取り(4日、楢葉町下小塙で)

 
東京電力福島第一原発事故の避難指示が先月5日に解除された楢葉町で4日、実証栽培の米の収穫と、東日本大震災前に特産だったユズの植樹が行われた。将来の実りの秋に向けた取り組みが少しずつ進んでいる。

実証栽培は、本格的な作付けに向けて米の安全性を確認するのが目的で、同町では計約4万7000平方メートルの農地で実施されている。この日は、下小塙地区の1500平方メートルで「天のつぶ」の刈り入れが行われた。

収穫した米は11月中に全て放射性物質の検査を行い、国の規制値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)以下のものは東京大の生協や官公庁などに提供する。同所、農業佐藤憲之さん(50)は「震災後、初めて楢葉のコメを県外の人に食べてもらうことになる」と喜んでいた。

ユズの植樹も同地区で行われ、松本幸英町長らが土を入れ替えるなどした休耕田に約1・5メートルの木を約160本植えた。町では震災前、約1600本のユズの木から収穫した実で、ジュースやカステラが作られていた。以前からの木は手入れされていないものが多いため、新たに植えたという。

参加した同町井出、新妻洋子さん(71)は「またユズの香りが広がる町になれば」と期待していた。収穫は3年後の秋になる見込み。


 <避難解除>楢葉のユズ 実証栽培


2015年10月5日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151005_62002.html

ユズの木を植える研究会のメンバーら

東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が9月に解除された福島県楢葉町で4日、特産のユズの生産再開に向けた実証栽培と、実証栽培された稲の刈り取りが始まった。

楢葉町は1988年、「ゆずの里」づくりを目指し、全戸に苗木を配布。原発事故前は「町ユズ研究会」に所属する農家約10軒が計約500本で栽培し、ジュースやユズ酒といった加工品などを販売していた。

実証栽培は、水田だった16アールに樹齢5年の木を150本植栽し、果実や樹体の放射性セシウム濃度などを3年間調べる。4日は栽培・管理を担う研究会のメンバーや松本幸英町長らが植樹した。

既存のユズは、県が果実の放射性物質検査を実施し、安全性を確認する。研究会のメンバーは「好評だったユズ酒の販売を早く再開したい」と話した。

稲の実証栽培は本年度4.7ヘクタールで行われ、4日は下小塙地区の15アールで「天のつぶ」を刈り取った。町は風評被害の払拭(ふっしょく)などを目的に、同地区のコメ約600キロを検査の上、東京大生協に提供する。

昨年の実証栽培では、全袋で放射性セシウムが国の基準値を下回り、うち2%のくず米以外は検出限界値未満だった。

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