2015/12/09

「魚介類」全73点基準値以下 第1原発沖20キロ、10月採取

2015年12月09日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151209-034239.php

東京電力は8日、試験操業の対象外となっている福島第1原発から半径20キロ圏内の海域で10月に放射性物質検査のため採取した魚介類73点すべてが、食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下だったことを明らかにした。福島市で同日開かれた県廃炉安全監視協議会の環境モニタリング評価部会で報告した。

基準値を超えた魚介類の割合は、2012(平成24)年度第2四半期(7~9月)の約40%をピークに低下傾向にある。県漁連が、年明けにも20キロ圏内海域での試験操業実施の是非を判断する方針を決めており、今回の検査結果が判断材料の一つになりそうだ。

東電は、放射性物質が魚介類に与える影響などを調べるために、毎月20キロ圏内の沿岸11地点で捕った魚を検査している。8~10月の3カ月間で基準値を超えたのは234点のうち1点で、99.6%が基準値以下だった。基準値を超えたのは、9月に採取したカスザメで1キロ当たり110ベクレルだった。

県水産試験場も20キロ圏内海域の魚介類を検査しており、基準値以下の個体の割合は11年の34.4%から、14年は94.2%に増加。今年10月31日までの検査では99.4%が基準値以下で、東電の検査と近い結果が確認されている。

同試験場によると、放射性物質が拡散され、海水の放射性物質濃度が薄まったことや、魚介類の寿命による世代交代が進んだことなどが基準値を下回る個体が増えた要因とみられる。

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