2015/12/20

「震災後の授業制限」改善 福島で教育復興シンポジウム

2015年12月20日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151220-036875.php


福島大や県内市町村教育委員会などでつくる「大震災後の福島県の教育復興を進める会」は19日、県内小、中学校に震災、原発事故後の状況を聞いたアンケート調査の結果の概要を発表した。カリキュラム(教育課程)の実施に「一部困難さや制限がある」と答えた学校は全体の13%で、前年度調査の19%から6ポイント減少した。原発事故後は保護者の放射線不安に伴い屋外で行う授業が制限されるケースなどがあったが、事故前の状況に戻りつつある傾向が示された。

同会が福島市で同日開いた「教育復興シンポジウム」で、同大人間発達文化学類の朝賀俊彦教授が発表した。調査は9~10月、県内の市町村立小、中学校を対象に実施。全体の86%に当たる591校から回答を得た。



県内小、中学校で行われている放射線教育について訪ねた設問では、授業実施をめぐり「非常に難しさがある」「多少の難しさはある」との回答の合計は全体の66%で、前年度の74%から8ポイント減少した。朝賀教授は「指導のノウハウが蓄積してきたためではないか」と指摘した。

シンポジウムには教育関係者約160人が参加。福井大教職大学院の松木健一教授が、福島大にも今後設置される教職大学院の役割などについて講演。三浦浩喜福島大理事・副学長が、福島大や経済協力開発機構(OECD)による教育プログラム「OECD東北スクール」の取り組みについて、ふたば未来学園高の南郷市兵副校長が同校の教育活動についてそれぞれ発表した。教育関係者が現場での実践を語り合う「ラウンドテーブル」も行われた。

0 件のコメント:

コメントを投稿