2015年12月10日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20151210/ddl/k14/040/192000c
東京電力福島第1原発事故で被ばくし、行き場を失った牛を飼い続ける「希望の牧場・ふくしま」(福島県浪江町、吉沢正巳代表)など、原発事故が現代社会 に突きつけた課題に向き合ってきた写真家、山本宗補さんの写真展「福島、故郷と命。」が12、13日、鎌倉市小町の生涯学習センターで開かれる。12日午 後3時からは、吉沢さんと山本さんの対談も行われ、来年3月の発生5年を前に原発と日本の未来を考え直す機会になりそうだ。
山本さんは、海外ではアジア諸国の民族闘争、国内では「戦争の記憶」「老い」などをテーマに取材してきた。東日本大震災が発生した「3・11」の翌日に福島県に入り、放射能汚染の実情などを訴えてきた。
慢性的なエサ不足に苦しみながらも、放射能汚染された牧場で300頭以上の被ばく牛の世話を続ける吉沢さんの生き様は大きなテーマの一つで、公表後、大きな反響を呼んだ。
展示写真は、雪に覆われた丘にたたずむ牛や、自らの被ばくの危険を顧みず牛の世話を続ける吉沢さんの姿を追い続けたもので、危機にさらされた「命」を通じて、日本のあり方を問いかけてくる。
環境問題、沖縄の基地問題にも取り組む吉沢さんも福島から駆け付け、牧場での取り組みと共に、復興にはほど遠い被災地の現状などを報告する予定だ。
写真展を企画したのは鎌倉出身で東京在住のコピーライター、里見洋子さんら神奈川県内の「希望の牧場」サポーター有志。里見さんは「命の大切さ、そして原発事故を乗り越えようと、懸命に生きている被災地の人たちの今をぜひ知ってもらいたい」と話している。
12日午前11時〜午後7時。13日午前10時〜午後5時。入場無料。問い合わせは里見さん(090・4608・9975)。【因幡健悦】
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