2015/12/10

二度目の候補地<指定廃棄物の行方> 塩谷町の町民有志、知事と初の意見交換

2015年12月10日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201512/CK2015121002000185.html

高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場(長期管理施設)候補地がある塩谷町の町民有志が九日、福田富一知事を初めて訪問し、処分場問題について意見交換した。国や県との議論を拒否している町とは別に、対話路線を模索するのが目的。処分場計画の白紙撤回を目指す点では町と一致しているものの、町内に反対運動の方針をめぐる多様な意見が生まれつつある。 (大野暢子)

宇都宮市の県公館で行われた対談には、塩谷町民十四人が参加。国と県は今秋から、町内で処分場計画に理解を求めるための戸別訪問をしており、その中で一部の住民が面会を希望した。

住民側は、会談の最初に「現在の膠着(こうちゃく)した状況を打開したい」と表明。福田知事は、指定廃棄物を各地で分散して一時保管している現状を踏まえ、「県として処分場計画を推進せざるを得ない」と前置きした上で、「(住民の)思いを受け止めたい」とした。

約一時間にわたり非公開で行われた対談の後、取材に応じた住民は「処分場計画の撤回を求めるために来た」と強調。一方、町が主張する「国の地元説明会を受け入れると、処分場を安全に建設できるかを調べる詳細調査に直結し、処分場が建設される」との懸念を知事が否定したことを、この日の成果の一つに挙げた。

福田知事は対談後、「意義のある意見交換だった」と報告。今後もこうした場の設置に前向きな姿勢をみせた。住民側からは「他に適地があるのでは」「詳細調査と処分場建設が直結しないことを証明する文書を国からもらってほしい」などの発言があったという。


塩谷町有志との面会を終え、
「意見交換は有意義だった」と語る福田知事=宇都宮市で


指定廃棄物の行方】打開策手探り 塩谷有志と福田知事、初対談

12月10日  下野新聞
 
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20151210/2169583

放射性物質を含む指定廃棄物の処分場候補地選定問題で、福田富一(ふくだとみかず)知事と塩谷町の住民有志は9日、県公館で対談した。

手詰まり状態に陥っているこの問題で、塩谷町民と福田知事が直接話し合うのは初めて。福田知事は県内処理の必要性を説明し、住民らは疑問点などを聞いた。機会があれば話し合いを再度開催することを互いに確認したという。

住民有志は町内の商工業者や農業関係者ら14人。県側は福田知事、環境森林部幹部が対応した。冒頭のみ報道陣に公開され、有志代表は「現在の状態を何とか打開したく、何か行動を起こさなければと思い、知事との話し合いを希望した。われわれ塩谷町民の思いをしっかり受け止めてほしい」とあいさつした。


約1時間の対談後、有志の2人が記者団の取材に応じ「反対、白紙撤回を求めるために来た」と断った上で「伝えたい部分を全て伝えることはできなかったが、今後も県との話し合いは必要と感じた」と答えた。

また「一番聞きたかった部分は『説明会イコール詳細調査イコール建設』。この三つがつながっていると、町民は認識していた」と話し、県側からそうでない説明を受けた。対談内容は町側に伝えるという。

終了後、福田知事は「大変厳しい意見を受けたが、意義のある意見交換会だった。あらためて意見を聞く機会が早く来ることになればありがたい」と述べた。

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