2016/02/26

福島の人口5.7%減、原発事故の爪痕深く 15年国勢調査

2016年2月26日 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H5Z_W6A220C1PP8000/ 

2011年の東日本大震災の爪痕が深く残っていることが、総務省が26日公表した国勢調査で明らかになった。被災した県のうち、東京電力福島第1原子力発電所事故が起きた福島は10年の前回調査に比べ人口が5.7%減った。減少率は05~10年の5年間に比べて2.7ポイント大きくなった。岩手も3.8%減った。復興需要で人口が流入した宮城は0.6%減に踏みとどまった。

今回は震災以降、初の国勢調査だ。同調査は住民票がある自治体ではなく、実際に住んでいる場所で人口をカウントしている。人口の増減を市町村別に見ると原発事故の避難区域や津波の被害を受けた沿岸部で人が戻っていない。

福島では全域が原発事故の避難区域になった富岡、大熊、双葉、浪江の4町で人口がゼロになった。楢葉町も87.3%減り、全国で最も減少率が大きかった。県内は現在も9市町村に避難区域がある。ただ県の調べによると、県外から県内への移住世帯数は震災直後の11年度に大幅に落ち込んだものの、その後は徐々に回復している。

国勢調査は国から地方に配る地方交付税の算定に使われる。福島県は人口減で交付額の減少が見込まれる。内堀雅雄知事は「各自治体の個別の算定状況を注視しながら、関係自治体の財政運営に支障が生じることがないよう対応したい」としている。

宮城では仙台市の人口が3万6199人増えた。ただ津波で大きな被害が出た女川町では37.0%減、南三陸町は29.0%減と軒並み人口を大きく減らした。

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