2016/02/23

<検証地域医療>被災し看護師退職の施設4割

2016年2月23日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160223_73009.html

公益社団法人日本看護協会(東京)が昨年公表した「被災地域における看護職員実態調査」(2014年6~7月実施)によると、岩手、宮城、福島3県で東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で退職した看護職員がいる施設は40.1%に達した。震災直後の11年度中の退職者総数は468人に上った。

退職者がいた施設は回答した252施設のうち101施設。県別で福島は53.8%(57施設)と県内施設の半数を超え、原発事故による避難の影響が大きいとみられる。宮城は30.6%(33施設)、岩手は28.9%(11施設)だった。

14年の調査時点では、震災前に比べ看護職員は3県全体で2.5%(349人)増えたものの、回答施設の29.6%に当たる74施設は依然として職員数が元に戻らない。原発事故による避難区域を抱える福島県相双地方は、看護職員不足の施設は41.7%と突出している。

厚生労働省がまとめた3県の看護師・准看護師の常勤換算従事者数を震災前の10年と比較すると、14年時点で、岩手、宮城は大きく増えているものの、福島は500人以上少ない。

日本看護協会の中板育美常任理事(災害担当)は「岩手、宮城両県も盛岡市や仙台市など都市部の職員数が増加要因で、沿岸部では足りていない。福島は原発事故直後の退職者を穴埋めできていない」と指摘する。

被災地には地域外から応援看護師も派遣されているが、長期派遣は難しく、短期派遣では受け入れ病院側の負担増にもなる。

中板理事は「人材を移動させるより、地元で働いてもらう『地産地消』が最善。地域偏在を解消し、若い人が地元で働きたいと思ってもらえる環境整備が重要になる」と強調。人材育成に向け、看護学校生への修学資金支援制度の充実や被災地域の住環境のインフラ整備、看護職を進路選択してもらう高校生らへの働き掛けといった複合的な取り組みが必要と訴える。



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