http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160221/KT160220FTI090012000.php
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の発生から5年がたつのを前に、被災者支援に取り組む市民団体などが20日、映画監督鎌仲ひとみさん(57)=東京=を招いたフォーラムを松本市で開いた。丸川珠代環境相が7日に同市で除染の長期目標の年間1ミリシーベルト以下を「何の科学的根拠もない」などと発言、その後撤回したことについて、鎌仲さんは「一人一人が『何を言っているの』『私たちの声を聞いて』と声を上げ、共鳴させていくことが大切だ」と訴えた。
鎌仲監督(中央)を囲んで行われたフォーラムの意見交換=20日、松本市 |
鎌仲さんは、福島第1原発事故後の福島県やチェルノブイリ原発事故後のベラルーシを舞台に、子どもを被ばくから守ろうとする母親らを追ったドキュメンタリー映画「小さき声のカノン―選択する人々」を撮影。「福島では除染への諦めも漂っている」と指摘し、「言うべきことを言えなくなる社会を一人一人がどう乗り越えていくか、これからの一番の課題だ」とした。
意見交換では、本人や家族が松本市に避難した福島県の女性らも発言した。福島市の看護師佐川美佳子さん(43)は「誰もが被ばくしたくないと思い、それぞれの母親が母親なりの対策をして生活している中で、大臣発言にはぼうぜんとした」と述べた。
フォーラムには約80人が出席。「小さき声のカノン」の上映や鎌仲さんの講演もあった。
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