2016/02/29

震災体験とその後を語る 県内移住者や支援者集会/岐阜

2016年2月29日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160229/CK2016022902000036.html

東日本大震災から五年を迎えるのを前に、被災地から県内に移住した人と、支援する人たちの集う会が二十八日、JR岐阜駅に隣接するハートフルスクエアーGであった。被災者二十人を含む百人が集まり、震災の体験や支援団体の取り組みについて語り合った。

宮城県石巻市で津波に襲われたものの助かり、現在は恵那峡で観光客向けの売店を営む恵那市在住の須田裕司さん(64)は「前日まで会っていた友人など多くの人を亡くした。防災とは、一人でも犠牲者を減らすこと」と、日ごろからの備えの大切さを説いた。

福島県いわき市から岐阜市に転居した小湊香さん(45)は、今の生活を「子どもに『何を触っても、何を食べても良いよ』と言えて、のびのび暮らせることがうれしい」と話した。福島へ一時的に戻った際は「見えない放射能への心配がつらかった」と振り返った。

子どもたちも壇上へ。下呂市の中学三年佐藤未夢さん(15)は福島県浪江町から来た当初「『フクシマへ帰れ』と言われたこともあった」と涙ながらに語り「勉強を頑張って高校に合格できたので、新しい学校では友達をたくさんつくりたい」と話した。

地震を振り返り「地面が揺れて、立っている所がゼリーのようになるかと思った」「怖くて『現実じゃない、夢だ』と言い聞かせていた」などと話した小学生六年生の二人はウクレレとリコーダーで童謡「故郷」を演奏。参加者が全員で合唱した。
(嶋村光希子)

震災の体験を語った後で「故郷」を演奏する2人の小学生(右側2人)
=岐阜市橋本町で

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