2016/03/06

「原発事故は罪深い」 移住者ら参加し岐阜で犠牲者追悼/岐阜

2016年3月6日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160306/CK2016030602000025.html

東日本大震災から十一日で五年を迎えるのを前に、岐阜市神田町の円徳寺で五日、犠牲になった人を追悼する法要が営まれた。東京電力の福島第一原発事故をきっかけに県内へ移住してきた人たちが、震災と事故をめぐる思いを語った。

震災を機に、県内に避難したり転居した子どもなどの学習を支援している市民団体「岐阜キッズな(絆)支援室」が開いた。

犠牲者に祈りをささげる参列者たち=岐阜市神田町の円徳寺で 
参列者らが焼香した後、福島県いわき市から岐阜市へ転居してきた長良西小六年、中村弘典君(12)が作文を朗読した。「地震の翌朝、外に出るときはマスクを着けるように言われた。有害な放射能のせいだと言われ、怖かった。こんなことが二度と起きないよう、政府はきちんと対応してほしい」と訴えた。

同じくいわき市から岐阜市へ移住した小湊香さん(45)も「震災後に福島へ戻ったこともあったが、子どもに『なんで外で遊べないの』と言われ、返す言葉がなかった。福島では子どもを育てられないと思い、移住を決意した」と振り返った。事故から五年がたち、福島県内では移住を決意した人たちに対する冷たい反応もあるという。小湊さんは「震災前は同じ場所に住んでいた仲間だったのに、あつれきが生まれた。原発事故は本当に罪深い」と声を落としていた。
(小野沢健太)

0 件のコメント:

コメントを投稿