2016/03/12
新潟/県内避難世帯1/4が定住意向 就職・進学「地域とのつながり」深まり 県がアンケート
毎日新聞 2016年3月12日 地方
http://mainichi.jp/articles/20160312/ddl/k15/040/040000c
来春の住宅無償提供終了も影響
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による県内への避難世帯のうち、約4分の1が定住する意向を持っていることが県のアンケート調査で分かった。県震災復興支援課によると、就職や進学などで「地域とのつながりが深まっている」ことに加え、自主避難者への借り上げ住宅の無償提供が来年度で終了するため、決断を迫られている面が背景にはあるという。
調査は、避難者の生活状況を把握して支援策に生かすため、県が毎年実施している。昨年12月〜今年2月、福島、宮城、岩手、茨城の4県から県内に避難している1329世帯を対象に郵送で行い、826世帯から回答があった(回答率62・2%)。
今後の生活拠点について、「このまま定住する」と回答した世帯は前年比2ポイント増の26%(211世帯)。定住する理由(自由記述)については、「生活の安定」が53%(111世帯)と最も多く、「就職・転勤」24%(51世帯)、「放射線量」22%(47世帯)と続いた。
これに対し、「いずれは避難元に戻る」と回答した世帯は同2ポイント増の38%(317世帯)に上った。ただ、このうち66%(210世帯)は、帰還時期について「未定」と回答。すぐに戻れない理由としては、放射線量や除染の状況▽進学先の決定▽職場の状況−−などを挙げており、「戻りたくても戻れない」実態が浮かび上がった。
一方で、今後の生活拠点が「未定」と答えた世帯は同5ポイント減の31%(260世帯)にとどまった。同課は背景として、避難指示区域外からの「自主避難者」に対する借り上げ住宅の無償提供が来年3月で打ち切られる点を指摘。県内への避難者の半数以上は自主避難者のため、同課は「帰還か定住か、決めかねていた人が決断を迫られている実態を反映しているのではないか」と分析する。
ただ、定住を決めた世帯や、地元に戻る時期を未定か来年4月以降などと回答した世帯のうち、30%は無償提供終了後の住居については「どうしたらよいかわからない」などとして、決めかねている状況だ。泉田裕彦知事は来年4月以降の対応について、県営住宅などの活用に加え、月内にも支援策をまとめる意向を示しており、県震災復興支援課は「福島県は民間住宅入居の場合に補助する方針を打ち出している。同県の対策を踏まえて考えたい」としている。【米江貴史】
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