2016年3月12日 産経新聞
http://www.sankei.com/smp/region/news/160312/rgn1603120047-s.html三条市の避難者交流拠点施設「交流ルーム・ひばり」で11日、福島県南相馬市から三条市内に避難している約20人を市立保内小学校の5年生26人が歌や演奏で励ました。
児童たちは、学習の一環として収穫したコメを避難者にプレゼント。宮沢賢治の詩の音読やリコーダーなどでの演奏を披露し、「ふるさと」を一緒に歌った。
南相馬市から避難している佐竹紀(おさむ)さん(76)は「胸がいっぱいになった」と感謝し、同市から移住した千葉広美さん(46)は「娘とともにしばらくお世話になります。命が助かったことを大切に生きていきたい」と話した。
一方、新潟市西蒲区の角田山妙光寺では合同慰霊祭が営まれ、避難者ら約20人が参列した。読経が響く中、震災発生時刻の午後2時46分ごろに全員が合掌。焼香を行い、犠牲者の冥福と被災地の復興を祈った。
慰霊祭は福島県からの避難者らの交流団体「うつくしまクラブ」(同西区)が平成24年から毎年開いている。新潟市江南区に妻と2人で暮らす福島県浪江町出身の安部勇さん(71)は「被災地は5年経っても復興が進まず先が見えず、戻りたいと思えない」と複雑な胸の内を明かし、「新潟は第2の古里。避難者みんなが健康に暮らしてほしいと祈った」と話した。
同県楢葉町から新潟市西区に避難した同クラブ代表の渡辺光明さん(63)は「安心して生活できている」としながらも「国と東京電力への不信感は膨らんでいる」と不満も漏らした。
長岡市の長岡赤十字看護専門学校では、毎年3月に講義の一環として実施している救護実践訓練を震災5年を機に初めて公開した。
会場にはサイレンの音などが流され、負傷者役が「早く手当してくれ!」と叫ぶなど緊迫感たっぷり。参加した約40人の2年生は負傷者のけがの状態をホワイトボードに書き込んだり、励ましの声を掛けるなど懸命に取り組んだ。
十日町市出身で小学3年のときに中越地震に遭い、避難所で過ごした経験を持つ鈴木可南子さん(20)は「人を助けたいという思いだけでなく、知識と技術もそろった看護師を目指したい」と語った。
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