2016/03/11

奈良/奈良「ツキイチ・カフェ」 抱えているもの語り合おう 避難者、市民が交流「情報交換できて安心」


毎日新聞 2016年3月11日 地方版
http://mainichi.jp/articles/20160311/ddl/k29/040/497000c

東日本大震災をきっかけに県内に避難・移住してきた人と市民らが交流する「ツキイチ・カフェ」が毎月1回、奈良市で開かれている。自主避難した母親らが集まり、避難生活や原発問題など日ごろの思いを語り合う場になっている。【芝村侑美】

市民による食材の放射性物質検査などに取り組む「奈良・市民放射能測定所」(奈良市学園北2、辻本誠代表)の事務所を借り、2013年に奈良市の主婦、 須藤愛子さん(42)らが始めた。横浜から母子避難した須藤さんは「避難者同士だけでなく、関心のある市民が広く参加し、大阪や京都から訪れる人もいる。 話したくても話せないことを皆抱えている」と話す。

参加者全員が十分に話す時間を持てるよう、カフェは3〜6人の定員制。今月8日に開いたカフェには母親ら6人が参加した。

千葉県から12年3月に家族で平群町に移り住んだパートの女性(41)は「避難は福島の方が優先という思いもある。関東から来たと言うと『引かれるか も』と思い、打ち明けられない」と告白。「放射能の影響についても国は『大丈夫』というばかり。どの情報を信じるかで捉え方が全然変わる」と話した。

11年6月に東京から夫の実家がある奈良市に移った主婦(41)は「周りに放射能の話をしていいのかなという空気が最近ある。ここには同じような不安を持つ人がいるし、情報交換もできて安心できる」と話した。

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