2016/03/12

東日本大震災の県内避難者「帰る予定ない」半数 支援団体が調査/埼玉

2016年3月12日 埼玉新聞
http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/03/12/06.html

東日本大震災のため県内に避難している被災者の約半数が古里へ帰る予定のないことが11日、支援団体の調べで分かった。東京電力福島第1原発事故から続く避難生活が長期化。一部地域で避難指示が解除されてはいるが、住み慣れた地元への帰還は難しくなってきている。

調査は、県内避難者向けの情報誌「福玉便り」の編集部が2012年度から実施。4回目の今回は昨年12月に県内1170世帯にアンケートを送付し、137人から回答があった。被災時の居住県別では、原発事故の影響と推測される福島県からの避難者が128人で約93%を占め、岩手県3人、宮城県1人、無回答5人となっている。

今後の生活の予定を尋ねたところ、50・4%が「地元県に帰る予定はない」と回答。「分からない」も27・7%あり、「帰る予定がある」は14・6%にとどまった。

前回14年度の調査では「埼玉県内に定住したい」と「地元県・埼玉県以外の都道府県に定住したい」の合計が44・3%。編集部が県内の市町村に行った調査によると、避難者の住居形態で、14年度は「持ち家」が約3%だったが、今回は「持ち家・分譲マンション」が約8%になった。これらの結果から、古里に戻らないと考える避難者が増加傾向にあるとみられる。

「帰る予定はない」と答えた避難者に今後の希望を聞くと「現在の住まいに定住したい」が最多の53・6%、「埼玉県内で新しい住まいに定住したい」が15・9%で続いた。

「福玉便り」編集部は県内の避難者をサポートする専門家やNPOなどで構成され、昨年12月に埼玉広域避難者支援センターを設立した。

同センター代表理事の西城戸誠法政大教授(43)=環境社会学=は「避難の長期化で県内に新しい人間関係ができ、生活環境を変えづらい面もあるのではないか」と分析。「帰るかどうか決められない人が4分の1以上もいることが、先の見えない避難生活の深刻さを示している」と言う。

生活の困りごと(複数回答可)では「避難生活の先行きが不透明」が最多で48・2%。「住まいのこと」40・9%、「健康や福祉のこと」39・4%、「生活資金のこと」30・7%と続く。西城戸教授は「避難者のニーズや悩みはあまり変わっておらず、問題は根本的に解決していない。アンケートの自由記述を見ると、置かれた状況や思いはさまざま。きめ細やかな対応がさらに求められる」と指摘する。

【メモ】復興庁のまとめによると、東日本大震災による県内への避難者数は2月12日現在、5102人。岩手、宮城、福島の被災3県を除くと、6876人の東京都に次いで2番目に多い。県によると、県内避難者の内訳は福島県が4603人で全体の約90%を占める。続いて宮城県325人、岩手県119人、その他55人。避難者は県内の57市町におり、最多は加須市の621人。次いで、さいたま市582人、川口市440人。

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