http://business.newsln.jp/news/201607050621480000.html
2011年3月11日以降に発生した福島第一原発事故によって太平洋に流出した放射能物質による太平洋の汚染の影響が、事故から5年が経過してようやく事故前のレベルに復帰したことが4日、オーストラリアのEdith Cowan Universityの研究チームが専門誌に発表した論文により明らかとなった。
研究チームは、福島第一原発事故によって海洋に流出したセシウムのレベルを日本沿岸から米西海岸までの太平洋全域に渡って事故後から追跡調査を実施。その結果、事故直後には、日本の沿岸は、正常値の1000万倍にまで上昇した高レベルセシウムは、その後、日本沿岸から徐々に東太平洋に向かって流れると同時に拡散していき、最新の2016年4月に行われた調査でようやく、事故前の値に復帰したことが判ったとしている。
研究チームでは、過去に太平洋で行われた核実験の際にも海洋に拡散した放射能物質は、その後、4~5年の期間で正常値に戻ったことが判っており、福島第一原発事故でも過去に行われた太平洋での核実験の際と同じように放射性レベルは、4~5年の期間をかけてゆっくりと低下していったことが確認されたとしている。
また、極めて高度の放射能汚染に晒された福島沿岸の魚類についても、事故直後は、福島沿岸で捕獲された魚の約半数が安全基準値を上回るものとなっていたが、2015年に行われた調査では、安全基準値を上回った魚は全体の1%未満に低下したことも判ったとしている。
ただし、福島第一原発の近くの海底には、まだ尚、高レベルの放射能物質の汚染が残っているとしており、この付近の海洋生物に対しては、今後も放射能汚染の影響が残り続けるだろうとも述べている。
Source: DOI: 10.1146/annurev-marine-010816-060733
Emily Thomas is contributing writer of the Business Newsline. Send your comment to the author
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