「トモダチ作戦で被ばく」 元米兵への支援基金設立
2016年7月6日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201607/CK2016070602000124.html
東日本大震災で救援活動に参加し、放射線に被ばくして健康被害の出ている元米軍人らを支援したいとして、小泉純一郎元首相と細川護熙元首相は5日、「トモダチ作戦被害者支援基金」の設立を発表した。来年3月末まで支援金を募る。 (皆川剛)
小泉氏は都内で開いた会見で「将来のある二十~三十代の若者が病に苦しむ姿を見て『かわいそう』では済ませられないと思った」と述べた。五月に米サンディエゴを訪問し、がんや白血病にかかるなどした十二人の元兵士に話を聞いたのをきっかけに、脱原発運動で連携する細川氏や城南信用金庫と基金の設立を決めたという。
小泉氏は「外務省北米局に協力を打診したが、北米局長から『政府としては何もできない』と断られた。日本国民の一人として(基金への)協力を求めたい」と呼び掛けた。外務省は取材に「係争中で(被ばくの)事実認定がされておらず、コメントは控えたい」としている。
震災発生から二カ月間、米軍は「トモダチ作戦」と称して大規模な救援作戦を展開。東北沖合に停泊した原子力空母ロナルド・レーガンなど米軍艦艇の乗組員ら約四百人が、高濃度放射線にさらされたとして、東京電力を相手に米連邦地裁に提訴している。
国民皆保険制度のない米国では、除隊した元米兵らは多額の医療費を負担しているといい、集まったお金は米銀行に信託して支援に充てる。
振込先は城南信用金庫営業部本店、普通口座844688、口座名は「トモダチサクセンヒガイシャシエンキキン」。問い合わせは同信金=電03(3493)8133=へ。
「原発即時ゼロ」の実現を目指して全国講演行脚を続けている小泉純一郎元首相が7月5日、「トモダチ作戦被害者支援基金」創設の記者会見を開いた。小泉氏と一緒に「原発ゼロ」を訴えている“盟友”の細川護熙元首相も同席。小泉氏から基金設立に至る経緯について説明があった。
日米両政府が動かないのなら、民間で支援する
基金設立の会見を行う、小泉元首相と細川元首相 5月15日から19日にかけて、小泉氏は米国カリフォルニア州サンディエゴを訪問。「東日本大震災の被災地支援(トモダチ作戦)中に原発事故を知らされずに被曝、健康被害を受けた」と訴える元米軍兵士たちと面談。救援活動後の健康被害の状況や、東京電力や米国GEなどに損害賠償を求めて起こした訴訟について話を聞いた。2012年、最初に提訴した時の原告は8人だったが、現在の原告数は400人を超えているという。
小泉氏は「日本のために全力を尽くしてくれた人たちを見過ごすことはできない」という思いから、「トモダチ作戦被害者支援基金」を創設することとなったのだと説明する。
本来であれば日米政府が調査を始めてもおかしくない件だが、両政府はまったく動かない。「日米の原子力産業は強大だからね」と小泉氏がもらしたのはこのためで、「政府が動かないのなら、我々が民間で支援する」と基金設立にこぎつけたのだ。
質疑応答で「なぜ民間主導になったのか」という疑問をぶつけてみた。
小泉氏「私は政府に働きかけることはしません。外務省北米局に聞いてみたところ、『政府としては何も動けない』と言っていますから、日本国民としてやります」
――安倍総理に対してはどうお考えですか。
小泉氏「まあ総理としての立場があるからね。現在の政治には口出しをしない方がいいと思っています」
自分が生きているうちに「原発ゼロ」を実現したい
サンディエゴで被害者の聞き取りを行う小泉氏 質疑応答では、「都知事選に出馬表明した小池百合子衆院議員を、小泉氏が後押しした」という報道が直前に出たことから、支援基金設立とは関係のない都知事選関係の質問が相次いだが、小泉氏は「(都知事選には)一切かかわらない」と否定。
最後に「原発ゼロは難しくない。5年3か月、原発は2基しか動いていない。これまでほとんどゼロでやってきた。必ず原発ゼロでやっていけます。そう確信しています」と改めて力説した。
「自分の生きているうちに何とか『原発ゼロ』を実現したい」と語る小泉氏。「トモダチ作戦被害者の救済もその一環。これは人道問題だ」と説明している。7月10日には、「原発ゼロ」への思いやサンディエゴ訪問の経緯などを語った『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談・吉原毅/編)も発売される。小泉氏の発言や行動に、今後も注目していく必要がありそうだ。
発表された基金の概要は以下の通り。
【トモダチ作戦被害者支援基金】
●寄付金額:法人、個人とも、金額は問いません。※所得税法上の「寄付金控除」の対象にはなりません。
●振込先:城南信用金庫 営業部本店 普通預金 844688
口座名 「トモダチサクセンヒガイシャシエンキキン」
※ATMやインターネットでもお振込みできます。
●募集期間:2016(平成28)年7月5日~2017(平成29)年3月31日
●使途:アメリカ合衆国の銀行に信託し、裁判官等の管理のもと、被曝により健康被害に苦しむ元兵士の支援に役立てます。
■発起人/小泉純一郎(元内閣総理大臣)
細川護熙(元内閣総理大臣)
大野剛義(元さくら総合研究所社長)
吉原毅(城南信用金庫相談役)
■事務局/城南総合研究所(城南信用金庫企画部内)
〒141-8710 東京都品川区西五反田7-2-3
TEL:03-3493-8133 FAX:03-3493-8210
<取材・文/HBO編集部>
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201607/CK2016070602000124.html
東日本大震災で救援活動に参加し、放射線に被ばくして健康被害の出ている元米軍人らを支援したいとして、小泉純一郎元首相と細川護熙元首相は5日、「トモダチ作戦被害者支援基金」の設立を発表した。来年3月末まで支援金を募る。 (皆川剛)
小泉氏は都内で開いた会見で「将来のある二十~三十代の若者が病に苦しむ姿を見て『かわいそう』では済ませられないと思った」と述べた。五月に米サンディエゴを訪問し、がんや白血病にかかるなどした十二人の元兵士に話を聞いたのをきっかけに、脱原発運動で連携する細川氏や城南信用金庫と基金の設立を決めたという。
小泉氏は「外務省北米局に協力を打診したが、北米局長から『政府としては何もできない』と断られた。日本国民の一人として(基金への)協力を求めたい」と呼び掛けた。外務省は取材に「係争中で(被ばくの)事実認定がされておらず、コメントは控えたい」としている。
震災発生から二カ月間、米軍は「トモダチ作戦」と称して大規模な救援作戦を展開。東北沖合に停泊した原子力空母ロナルド・レーガンなど米軍艦艇の乗組員ら約四百人が、高濃度放射線にさらされたとして、東京電力を相手に米連邦地裁に提訴している。
国民皆保険制度のない米国では、除隊した元米兵らは多額の医療費を負担しているといい、集まったお金は米銀行に信託して支援に充てる。
振込先は城南信用金庫営業部本店、普通口座844688、口座名は「トモダチサクセンヒガイシャシエンキキン」。問い合わせは同信金=電03(3493)8133=へ。
「トモダチ作戦被害者支援基金」について話す小泉純一郎元首相(左)と細川護熙元首相 =5日午後、東京都品川区の城南信用金庫本店で |
小泉元首相が基金創設 トモダチ作戦被曝の元米兵ら支援
2016年7月5日 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASJ7564CKJ75UTIL03V.html
小泉純一郎元首相は5日、東日本大震災の「トモダチ作戦」時に福島第一原発沖で被曝(ひばく)したとして、健康被害を訴えて東京電力などを相手に集団訴訟を起こした元米軍兵らを支援する基金を創設し、寄付を呼びかけた。
小泉氏は5月中旬の訪米時に元兵士らと面会した。5日は細川護熙元首相と記者会見を開き、「日本のために全力を尽くしてくれた人たち。かわいそうで済ます問題ではない」と訴えた。
http://hbol.jp/100593
http://www.asahi.com/articles/ASJ7564CKJ75UTIL03V.html
小泉純一郎元首相は5日、東日本大震災の「トモダチ作戦」時に福島第一原発沖で被曝(ひばく)したとして、健康被害を訴えて東京電力などを相手に集団訴訟を起こした元米軍兵らを支援する基金を創設し、寄付を呼びかけた。
小泉氏は5月中旬の訪米時に元兵士らと面会した。5日は細川護熙元首相と記者会見を開き、「日本のために全力を尽くしてくれた人たち。かわいそうで済ます問題ではない」と訴えた。
小泉元首相らが「トモダチ作戦」で被曝した米軍兵士の救済基金を設立
2016年7月7日 ハーバー・ビジネス・オンラインhttp://hbol.jp/100593
日米両政府が動かないのなら、民間で支援する
基金設立の会見を行う、小泉元首相と細川元首相 5月15日から19日にかけて、小泉氏は米国カリフォルニア州サンディエゴを訪問。「東日本大震災の被災地支援(トモダチ作戦)中に原発事故を知らされずに被曝、健康被害を受けた」と訴える元米軍兵士たちと面談。救援活動後の健康被害の状況や、東京電力や米国GEなどに損害賠償を求めて起こした訴訟について話を聞いた。2012年、最初に提訴した時の原告は8人だったが、現在の原告数は400人を超えているという。
小泉氏は「日本のために全力を尽くしてくれた人たちを見過ごすことはできない」という思いから、「トモダチ作戦被害者支援基金」を創設することとなったのだと説明する。
本来であれば日米政府が調査を始めてもおかしくない件だが、両政府はまったく動かない。「日米の原子力産業は強大だからね」と小泉氏がもらしたのはこのためで、「政府が動かないのなら、我々が民間で支援する」と基金設立にこぎつけたのだ。
質疑応答で「なぜ民間主導になったのか」という疑問をぶつけてみた。
小泉氏「私は政府に働きかけることはしません。外務省北米局に聞いてみたところ、『政府としては何も動けない』と言っていますから、日本国民としてやります」
――安倍総理に対してはどうお考えですか。
小泉氏「まあ総理としての立場があるからね。現在の政治には口出しをしない方がいいと思っています」
自分が生きているうちに「原発ゼロ」を実現したい
サンディエゴで被害者の聞き取りを行う小泉氏 質疑応答では、「都知事選に出馬表明した小池百合子衆院議員を、小泉氏が後押しした」という報道が直前に出たことから、支援基金設立とは関係のない都知事選関係の質問が相次いだが、小泉氏は「(都知事選には)一切かかわらない」と否定。
最後に「原発ゼロは難しくない。5年3か月、原発は2基しか動いていない。これまでほとんどゼロでやってきた。必ず原発ゼロでやっていけます。そう確信しています」と改めて力説した。
「自分の生きているうちに何とか『原発ゼロ』を実現したい」と語る小泉氏。「トモダチ作戦被害者の救済もその一環。これは人道問題だ」と説明している。7月10日には、「原発ゼロ」への思いやサンディエゴ訪問の経緯などを語った『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談・吉原毅/編)も発売される。小泉氏の発言や行動に、今後も注目していく必要がありそうだ。
発表された基金の概要は以下の通り。
【トモダチ作戦被害者支援基金】
●寄付金額:法人、個人とも、金額は問いません。※所得税法上の「寄付金控除」の対象にはなりません。
●振込先:城南信用金庫 営業部本店 普通預金 844688
口座名 「トモダチサクセンヒガイシャシエンキキン」
※ATMやインターネットでもお振込みできます。
●募集期間:2016(平成28)年7月5日~2017(平成29)年3月31日
●使途:アメリカ合衆国の銀行に信託し、裁判官等の管理のもと、被曝により健康被害に苦しむ元兵士の支援に役立てます。
■発起人/小泉純一郎(元内閣総理大臣)
細川護熙(元内閣総理大臣)
大野剛義(元さくら総合研究所社長)
吉原毅(城南信用金庫相談役)
■事務局/城南総合研究所(城南信用金庫企画部内)
〒141-8710 東京都品川区西五反田7-2-3
TEL:03-3493-8133 FAX:03-3493-8210
<取材・文/HBO編集部>
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