2016/07/15

奥村・株木・森本JVに決定/特定廃棄物埋立処分詰替・搬出工事/環境省

2016年7月15日 建設通信新聞
http://www.kensetsunews.com/?p=69723

福島の復興・再生に向けた放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染廃棄物の処理のうち、「特定廃棄物」埋立処分事業の2016-20年度詰替・搬出工事の受注者が、奥村組・株木建設・森本組JVに決まった。5月に公告した、福島県内特定廃棄物埋立処分事業関連5件の事業者がこれですべて決定した。特定廃棄物を埋立処分する既存の管理型最終処分場(旧フクシマエコテッククリーンセンター、富岡町)は既に国有化、6月には福島県や富岡、楢葉の両町と環境省の間で処分場周辺地域の安全確保協定も結んだ。今後、地元との調整を進め、同省が地元行政区とも安全協定を結ぶ。事業着手に向けた条件が整えば、搬入道路改良やセンター改修などの準備工事に入る。準備工事後に、廃棄物を処分場に運び入れる。 =1面参照
【関連5件の事業者出そろう】

特措法に基づく主要事業は除染、中間貯蔵施設整備、汚染廃棄物処理の3つ。このうち、汚染廃棄物処理には、対策地域内廃棄物、宮城県など5県の指定廃棄物、農林業系廃棄物の処理がある。

事業実施に向け事業者が決まった福島県内特定廃棄物埋立処分は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い福島県内で発生した、放射性物質に汚染された廃棄物のうち、1kg当たり10万ベクレル以下の特定廃棄物を処理する。内訳は、双葉郡8町村の生活ごみ2万7000t、対策地域内廃棄物など44万5000t、県内の指定廃棄物18万2000t。同10万ベクレル超の廃棄物や除染による汚染土壌などは、中間貯蔵施設で長期保管する。

特措法にかかわるこれまでの環境省分予算計上額は、16年度予算も含めて3兆4640億円にのぼる。除染が2兆4241億円、汚染廃棄物処理が7106億円、中間貯蔵施設が3293億円だ。ただ、各事業は予算計上どおりには進んでいないことから、実際の執行額は予算計上額より少ない。

各事業で、除染のうちの環境省直轄は、計画に基づく除染を16年度末までに終える。中間貯蔵施設は本体工事の施工者が決まり、今後本格的な施設整備が始まる。施設の用地取得実績は6月末時点で162件、面積約45haとなっている。全体約1600haのうち、16年度末までに累計で140-370ha、20年度末までに640-1150haの用地取得を目指している。

事業者が決まった詰め替え・搬出工事の概要は、県内廃棄物のうち、▽対策地域内廃棄物▽環境省が代行処理した相馬市・新地町、南相馬市、広野町のがれき処理で発生した焼却主灰と固型化済焼却灰(代行灰)▽県内で発生した指定廃棄物--の「運搬対象廃棄物」を、最終処分場や今後楢葉町に整備予定の「特定廃棄物セメント固型化施設(仮称)」に運搬する。運搬対象廃棄物は73万3700tの見込み。処分場は1日当たり420m3、固型化施設が同最大120tの受け入れを予定する。工期は21年3月末まで。

環境省は今後、特定廃棄物埋立処分関係で、運搬対象廃棄物を安全に運ぶための国道6号や町道を拡幅する搬入道路改良などの工事を発注していく。

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