2016/01/04

双葉、63人が再会 続く全町避難「ふるさと忘れず」 /福島


2016年1月4日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160104/ddl/k07/040/118000c

原発事故で全町避難が続く双葉町の成人式が3日、仮役場があるいわき市で開かれた。新成人74人のうち、県内外から63人が出席。色とりどりの振り袖やスーツに身を包んだ新成人たちは、携帯電話で記念撮影するなどして久しぶりの再会を喜び合った。
携帯電話で記念撮影する双葉町の新成人=いわき市で
今年の新成人は、中学校の卒業式を終えた直後に東日本大震災に遭った。それから4年10カ月たち、式で、代表の男女2人が「生まれ育ったふるさとを一時も忘れることなく精いっぱい歩んできた。お世話になった地域のために自分たちのできることで貢献していきたい」などと誓いの言葉を述べた。伊沢史朗町長は「将来の町の担い手となるよう願います。復興にともに取り組んでいきましょう」と激励した。

出席した加村晴也さん(20)は原発事故後、家族で埼玉県に避難。同県の高校を卒業し、現在は陸上自衛隊員として栃木県の宇都宮駐屯地で働く。「事故直後にみんなが避難する中、災害救助のため逆に原発の方に向かっていく自衛隊員の覚悟に胸を打たれた」からだ。

昨年9月の関東・東北豪雨では、人的被害も含めて大きな被害が出た栃木県日光市に入り、救助活動に従事した。「原発事故の時は絶望感でいっぱいだったが、自衛隊の存在が心強かった。これからも災害救助で人の力になることで恩返しをしていきたい」。式では同級生3人とともに、壇上で「はたちの夢・希望」を発表。「訓練に励んで心身を鍛え、いかなる任務も完遂できるよう全力を尽くす」と誓った。【土江洋範】

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