2016/01/09

福島県 避難者10万人割る 公営住宅入居進み


2016年1月8日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160109/k00/00m/040/033000c 

福島県は8日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による避難者が10万人を下回り、9万9991人になったと発表した。県は「避難先での新居購入や災害公営住宅(復興住宅)への入居が進み、仮設住宅や借り上げ住宅から出た人が増えたため」と分析している。

内訳は、県内5万6463人(昨年末時点)▽県外4万3497人(昨年12月10日時点)▽避難先不明31人(今月8日現在)。避難者数は2012年5月の16万4865人(県内10万2827人、県外6万2038人)をピークに県内外ともに毎月1000人前後のペースで減っていた。

県内の避難者数は、仮設住宅や借り上げ住宅の入居者と、県内の市町村が把握している親類宅などへの避難者を県が集計している。県外の避難者数は、避難者が任意で避難先の市町村に届け出ている情報を基に復興庁が毎月集計している。「避難先不明」は、避難指示区域の住民のうち元の市町村が避難先を把握できていない人数。
県の担当者は「避難先での定住を選択した人を避難者でなくなったと言えるのかは難しい問題だが、一時的な住まいからより安定した住宅への移転が進んでいる」と話している。【土江洋範】

課題残る実態把握 福島県避難者10万人下回る

2016年01月09日  福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160109-041048.php

県が8日、震災と原発事故による本県の避難者数が10万人を下回ったと発表したが、県が公表した避難者数には避難者以外に、仮設住宅に入居する国の応援職員らが含まれていたり、仮設住宅から復興公営住宅に移った人が含まれていないなど、実態の把握には課題も残る。

県が公表する避難者は、災害救助法に基づき仮設住宅や借り上げ住宅に避難する人らが対象で、復興公営住宅に転居し古里の避難指示解除を待つ人らは避難が解消されたとみなされる。このため、県も「厳密に実態を把握した数字とはいえない」と説明する。

また、県が公表した避難者数のうち、一部の自治体では避難者以外の人数が含まれていることが各市町村への福島民友新聞社の取材で分かった。このため、実際の避難者数は、県の公表人数よりも少ない可能性がある。

県内避難者数は、各市町村が仮設住宅や借り上げ住宅、復興公営住宅とは別の、県などの公営住宅に避難する人数を県に報告し、県が取りまとめて発表するが、一部の市町村の担当者によると、仮設住宅に入居する国の応援職員らも避難者数に含めて報告しているケースがあるという。

県に対し、「仮設住宅の入居者数」として報告していることが理由。各市町村への取材で、少なくとも2町村で応援職員4人を避難者として報告していた。
ただ、10万人を切った今回の数字は、避難者が一定程度恒久住宅へと移った目安にはなるとみられる。県は自主避難者らに対し、自宅などに戻る際の引っ越し費用を補助するなど避難者の自立や生活再建を急いでいる。

避難者なお帰還遠く…10万人切る

2016年01月09日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160108-OYTNT50092.html

◆やむなく新築、集計外に
避難者数が10万人を下回った。県は8日、県内外で避難生活を送る県民の人数は9万9991人になったと発表した。だが、県内9市町村には避難指示区域が残り、新たに自宅を新築するなどして避難者に集計されなくなったケースも多いという。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からまもなく5年。多くの人が古里に戻る見通しが立たないまま暮らしている。

浪江町からいわき市の借り上げアパートに避難していた内装業新谷保基さん(60)は2014年7月、同市内の高台に新築した一戸建てに引っ越した。高齢の母親、足が不自由な娘と同居しており、「手狭なアパート暮らしは限界」と感じたためだ。「落ち着いた場所に早く住みたかった。やむを得ない」と話す新谷さんは当分、同市で暮らすつもりだという。

故郷から離れて暮らしていても、新築した家に引っ越すなどすれば避難者の統計からは外れる。県によると、14年の住宅着工件数は震災前の10年の約1・6倍に増えており、県は避難者向けの住宅建設が押し上げているとみている。

福島市から山形市の借り上げアパートに娘2人と避難する飲食店員の女性(43)は、当面は避難生活を続ける考えだ。県が自主避難者の避難先住宅の無償提供を17年3月で打ち切ることを決めたことで、同じ山形市に自主避難していた友人2人が福島に帰った。女性は「無償提供が打ち切られたら、自分たちも引っ越しを考えなければ」と話した。

福島の避難者10万人下回る 避難指示解除など要因

2016年01月09日 産経新聞
http://www.sankei.com/affairs/news/160108/afr1601080021-n1.html
福島県は8日、東日本大震災と福島第1原発事故に伴う避難者数が10万人を下回ったと発表した。同日現在の避難者は9万9991人となった。避難者の内訳は、県内5万6463人▽県外4万3497人▽不明31人-となった。

避難者は平成24年5月の16万4865人が最も多かったが、27年1月に12万1585人まで減り、その後の1年間で2万人以上減少したことになる。

一部の自治体で原発事故の避難指示が解除されたほか、避難先で住宅を再建し仮設住宅から退去するなどで、避難者数は徐々に減る傾向にある。

県の担当者は「避難者数は減少傾向にあるがいまだに高水準。落ち着いた住環境に住めるよう施策を進めたい」としている。

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