2016/01/08

福島・飯舘村学校・幼稚園の29年4月再開、保護者ら3年以上延期要望

2016年1月8日 産経新聞
http://www.sankei.com/region/news/160108/rgn1601080052-n1.html

■放射線量への不安訴え
東京電力福島第1原発事故の被害で全村避難が続いている飯舘村が、避難指示解除の目標時期の平成29年4月に村内で幼稚園と小学校、中学校を再開する方針を示したことをめぐり、保護者の有志らが7日、学校の再開時期を村の方針より3年以上延期するよう求める要望書を菅野典雄村長に手渡した。
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飯舘村では村民の避難後、幼稚園と中学校が福島市飯野町の仮設校舎に移転。小学校3校は1つに集約し、川俣町の仮設校舎で授業を行っている。村は帰還困難区域の長泥地区を除き、29年3月までの避難指示解除を目標にしており、学校再開も帰村に合わせるとの方針を示していた。

この方針について、保護者有志らが「飯舘村の子どもの将来を考える会」を結成し、独自で保護者からアンケートを集め、保護者の意見を集約。放射線量への不安や転校に伴う負担が生じることを懸念し、学校の再開時期を32年4月以降に遅らせるよう求める要望書を提出した。

要望書では、学校や周辺の放射線量やフレコンバッグ(除染による廃棄物を詰めた袋)が村中に置かれている環境▽子供の健康▽小人数化による教育環境の変化▽廃棄物を運ぶトラックが行き交う交通面での危険性▽転校への配慮-などを理由に、現在の小学校5、6年生が卒業するまで現在の仮設校舎に通うことができるよう求めた。

要望書を受け取った菅野村長は「時期が遅くなれば、学校を再開できなくなる可能性もある。自治体として学校がないのは致命的。(児童・生徒数が)何人だろうと学校を再開して飯舘らしい学校を作りたい。じっくりと検討して、しっかりとした答えを出したい」と話した。

考える会のメンバーは、村議会にも学校の再開延期を求める保護者や村民計727人分の署名を提出した。村教育委員会が昨年11~12月に実施した保護者アンケートでは、29年4月からの村内通学を希望したのは18%にとどまり、76%が同時期からの村内通学を希望しなかった。

考える会のメンバーで 飯樋(いいとい)小学校PTA会長の星貴弘さん(36)は「村のために学校があるのではなく、子供のために学校があるということを考えてほしい」と訴えた。

また、草野小学校PTA会長の木幡邦彦さん(35)は「時期なども保護者との検討対象に入っていたはずだが、突然、再開時期が決定された。考える時間があまりにもなさすぎる。中学校に進学するタイミングで転校を考える児童も多いと思うので、中学校の生徒が大幅に減ってしまうのでないか」と村の方針を疑問視している。

<全村避難>飯館の学校再開「時期尚早」の声

2016年01月08日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160108_63039.html

東京電力福島第1原発事故で全村避難する福島県飯舘村の学校再開時期をめぐり、PTA会長らでつくる「村の子どもの将来を考える会」が7日、村が示した「2017年4月」は時期尚早だとして、20年4月以降に先送りを求める要望書を村と村教委に提出した。

同会は、福島市や川俣町に移した村の幼稚園と中学校、小学校3校のPTA会長・副会長全12人が、メンバーに入っている。この日は4人が福島市の仮役場を訪れ、菅野典雄村長に要望書を手渡した。
要望書では、学校の空間放射線量の低減が十分でないことや、除染廃棄物を処理する仮設焼却施設の稼働で交通量の増加を懸念。少なくとも現在の小学5年生以上が、避難先で中学校を卒業する20年4月以降の再開を求めた。

村は帰還困難区域を除き、17年3月までの避難指示解除を目指す。菅野村長は「時期が遅くなると子どもの数も減り、学校は再開が厳しくなる。福島市内からも村に通えるよう対応する」と説明。同会の星貴弘さん(36)は「17年4月は帰村時期とほぼ同じで、あまりに早い」と異を唱えた。

同会は村議会に対しても同様の趣旨の請願書を、保護者ら727人の署名を添えて提出した。

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