2016/02/17

宮城県内の指定廃棄物 基準超え3分の1に


2016年2月17日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160217/k00/00e/040/210000c

環境省は17日、東京電力福島第1原発事故の放射性物質を含む宮城県内の指定廃棄物について、放射性物質濃度を再測定した結果、基準を超えた廃棄物の量が従来の約3分の1に減ったことを明らかにした。井上信治副環境相が宮城県庁で村井嘉浩知事に伝えた。難航している同県内の処分場計画に影響が出ることも予想されるが、井上副環境相は「県内1カ所に集約するのが望ましい」と述べ、引き続き県内3市町を候補地に建設を目指す考えを示した。

指定廃棄物は放射性物質に汚染された稲わらなどのうち1キロ当たり8000ベクレルを超えるもので、同県内では約3404トンが農家の敷地などで一時保管されている。環境省が昨年8月〜今年1月に実施した再測定で基準を超えたものは1090トンに減少した。事故から時間が経過して自然減衰するなどしたためとみられる。

村井知事は3月末までに県内市町村長による会議を開催し、今後の対応を話し合うとした。同県内の処分場計画は、環境省が住民らの反発で候補地を絞り込む詳細調査への着手を2年続けて断念。その結果、3市町とも候補地返上を表明するなどこう着状態が続いている。

環境省は今月、放射性物質濃度が基準を下回った場合に指定を解除できる手続き方針を公表。指定廃棄物は国が処分の責任を負うが、指定を解除すれば市町村が一般廃棄物として処理することも可能になる。【川口裕之】



宮城県の指定廃棄物 約3分の1に減少

2016年2月17日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160217/k10010412301000.html

東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物について、環境省は、宮城県内分の濃度を改めて測定したところ、国の基準を超えたものはおよそ3分の1まで減ったという結果を17日、宮城県に伝えました。これに対し、宮城県は、廃棄物の具体的な処理方法について改めて検討する意向を示しました。

井上環境副大臣は17日午前宮城県庁を訪れ村井知事と会談しました。この中で井上副大臣は、宮城県内で一時保管している3404トンの指定廃棄物の放射性物質の濃度を改めて測定した結果、国の基準の1キロ当たり8000ベクレルを超えている廃棄物の量は当初のおよそ3分の1の1090トンまで減ったことを伝えました。そのうえで井上副大臣は、指定廃棄物は引き続き一定程度は残るとして、宮城県内の1か所に新たな処分場を建設する計画を堅持する考えを示しました。

これに対し、村井知事は今年度中に県内すべての市町村長を集めた会議を開き、廃棄物の具体的な処理方法について改めて検討する意向を示しました。宮城県内の指定廃棄物を巡っては、新たな処分場の建設を目指す環境省に対し、候補地となっている3つの市と町がいずれも候補地を返上する考えを明らかにしていて、今回の結果が処分場の建設計画に影響を与えることも予想されます。


会談のあと、井上環境副大臣は、「8000ベクレルを超える指定廃棄物を県内1か所に集約する方針は変わらない。指定廃棄物の濃度が減って処理する量自体を減らすことが可能となっているので引き続き丁寧に地元に理解を求めていきたい」と述べました。一方、8000ベクレル以下の廃棄物の処理については「焼却するなら、焼却先、さらなる処分先をしっかり確保して進めることができるかが大きな課題なので、国が責任を持って技術的な支援などを行っていきたい」と述べました。
また、宮城県の村井知事は、「今年度内に市町村長会議を開いて、きたんのない意見を聞きたい。その際には8000ベクレル以下をどうするのか、8000ベクレルを超えたものについてはどう処理するのか、参加した市町村長に聞くことになると思う」と述べました。そのうえで村井知事は、「8000ベクレルを超える指定廃棄物の取り扱いについて、環境省は方針を堅持するということなので、そのとおり進めることが望ましい。施設の大きさが変わり、住民の負担が軽くなると思うので、そういったことを踏まえて候補地には現地調査を受け入れてもらうよう県としてもお願いをすることが重要だ。これまでの方針に大きな変化はない」と述べ、環境省が県内の1か所に新たな処分場を建設する計画を堅持する考えを示したことについて、県としては協力したいという意向を示しました。
また、8000ベクレル以下の廃棄物の処理については、「焼却施設をどう確保するかが課題だと思うので、市町村長と協力して進めていきたい」と述べました。

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