2016/11/06

11/8 東京/「災害救助法に基づく応急仮設住宅・みなし仮設住宅の無償供与継続東京電力原子力災害被災者救済のための住宅保障を求める交渉」

原発事故 避難・被害当事者4団体による
日本政府及び福島県との交渉のお知らせ
「災害救助法に基づく応急仮設住宅・みなし仮設住宅の無償供与継続東京電力原子力災害被災者救済のための住宅保障を求める交渉」

http://hinannokenri.com/info/331


2011年3月に発生した東京電力原子力災害による自主避難者の多くは、災害救助法に基づき供与されているいわゆる「みなし仮設住宅」(借り上げ民間賃貸住宅や公営住宅など)に入居していますが、その無償供与終了期限が来年の3月末に迫っています。

そんな中、多くの自主避難者が来年の4月以降、どこに住むのかが未だ決まっておらず、不安を抱えたまま福島に帰還をするのか、貧困生活を余儀なくされるのかの選択を迫られています。

そして、自主避難者からは、現在の住宅に住み続けたい、長期かつ抜本的な住宅の保障をおこなってほしいという要望が強くよせられています。

これに対して、「避難の権利」を求める全国避難者の会、原発事故被害者団体連絡会(略称・ひだんれん)、原発被害者訴訟原告団全国連絡会(略称・原訴連)、避難住宅問題連絡会の避難・被害当事者4団体が合同で、日本政府及び福島県との交渉を行うこととなりました。

詳細は以下の通りとなります。この現状を、日本政府、福島県のみならず、世論に広く訴えていくことも当事者団体としての責務と考えております。



1.日時:2016年11月8日(火)12:30~14:30
2.場所:参議院議員会館 B107号室
3.出席:日本政府   福島県(要請中)
4.主催:「避難の権利」を求める全国避難者の会
     原発事故被害者団体連絡会(略称・ひだんれん)
     原発被害者訴訟原告団全国連絡会
     避難住宅問題連絡会
5.問い合わせ先:「避難の権利」を求める全国避難者の会 事務局



以下、4団体共同政府交渉の要望書

4団体で調整した要望と、それに関する質問項目を公開しておきます。ただし、交渉までの出来事や、明らかになったことなどを含めて、要望や質問の詳細が当日は多少増減・変更があるかもしれないことはご了解ください。

要望項目

1、放射能汚染に関して、現状では、311前の状態に回復がなされていない。避難元の地域に帰らない避難者の存在とその正当性を認め、安心して避難を継続できるよう住宅を保障してほしい。放射能汚染のある地域住民に対しての居住リスク補償を行ってほしい。

[質問]

①環境省の除染ガイドラインに沿って除染をしても、放射性物質が取り除けず、線量が下がらないケースが多発しているが、これについて、国はどのような対応をしているか。

②除染土を中間貯蔵施設への運び出しの計画と進捗、および、作業者および周辺住民への運び出し作業に伴う被ばくリスク(主に吸入による内部被ばく)への対応について示しされたい。

③山林除染の計画と進捗を報告いただきたい。

④現在、福島第一原発から放出されている放射性物質の量を示されたい。

⑤国直轄の除染事業で回収した放射性物質の量(ベクレル)と保管状況を示されたい。

⑥直近の福島県の健康調査で、子どもの甲状腺がん(疑いを含む)が174人に達したと発表されている。この事実と「放射能への不安」の関係をどう判断されているか。また、検査縮小の動きも表面化しているが、これに対する国の基本的な考えを明らかにされたい。

⑦大人の甲状腺がん、白血病など事故以後に多発している健康障害について、どの程度把握し、「不安解消」につなげようとしているのか。

⑧除染廃棄物の仮置き場や仮設焼却場の状況をどう把握しているか。これが「不安」の大きな要因の一つになっていると考えているか。

⑨放射線被ばくと健康影響についての基本認識として、ICRPはじめ国際的な到達点となっているLNTモデルを国は採用していると考えてよいか? 採用しないとすれば、その根拠を示されたい。

⑩福島県とその周辺海域が、原発事故発生前の状況に戻せる見込みが今後数年の間で具体的に存在するか? 存在する場合、その具体策とスケジュールを示されたい。

2、国と福島県だけで協議してきた、避難者への住宅無償供与終了とそれに代わる「新たな支援策」は、避難者の実態にそぐわず、避難者に再び大きな不安と苦難を強いるものとなっている。決して強行させないでください。

〔質問〕

①災害救助法に基づく避難者住宅無償供与の28年度末にて終了とした福島県知事の判断の根拠とそれに同意した国の判断の根拠を示されたい。

②国は、上記福島県の判断が変更された場合、それを尊重すると発言している。まちがいないか?

③福島県の民間賃貸家賃補助等の新支援策の進捗状況と問題点について、国は具体的にどのように把握しているか? 9月末現在で入居確保見込みが1割にも達しておらず、多数の避難者が支援からこぼれおちると見込まれるが、これについて国はどのように認識され、どのような対応をとっているか。

④福島県が平成27年10月29日付けでおこなった避難先都道府県へのアンケートで、避難先都道府県から国に対する要望があがっていたがその報告は受けているか? それら要望に対して、国はどのように対応したか? 

⑤公営住宅入居に関する「特定入居」を原発避難者に適用するよう通達を出すこと。必要なら施行令を改訂すること。

⑥入居要件、収入要件を緩和するよう指導すること。

⑦福島県の民間賃貸家賃補助の収入要件を外すための財源措置をすること。

⑧東京電力に対する求償を速やかに実施し、財源に充てること。

3、応急仮設住宅・みなし仮設住宅の無償供与を来年3月に打ち切ることなく、少なくとも当面は継続したうえで、災害救助法や子ども被災者支援法などあらゆる法令を活用して、避難者の必要を満たせる住宅保障策を、私たち当事者を交えてゼロから再検討してほしい。

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