2015年8月25日 東京新聞http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150825/CK2015082502000171.html
東海村議会は二十四日、原子力問題調査特別委員会を開き、福島県から村内に避難している主婦二人から東京電力福島第一原発事故で一変した生活など、現状について話を聴いた。二人は地元が放射性物質で汚染され、帰郷できないつらさや苦しみを語った。
浪江町出身の主婦(53)は二〇一一年四月、家族六人で避難してきた。一時帰宅するたび、帰郷への思いが募るが、線量計の数値を見ると到底、帰れないと痛感するという。「自宅で思い出の品などを片付けた後、一人で村に帰ってくると本当につらい。原発事故は普通の災害と性質が違うことを分かってほしい」と訴えた。富岡町から来た別の主婦(52)は、両親らとともに五人で暮らしているが「高齢の両親が、知り合いのいない場所で生活することは精神的にこたえる」と語った。
委員会では一三年から、市民団体「リリウムの会」が、日本原子力発電東海第二原発事故に備えた具体的な避難計画ができるまで再稼働を認めないよう求めた請願を審議している。会は今年二月、被害に遭った避難者の生の声を聞いて審議の参考にしてもらおうと、鈴木昇議長宛てに招致を要望していた。
鈴木議長は「貴重な意見で、審議に反映させる」と述べた。 (山下葉月)
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