自主避難者 被災者支援が将来縮小へ
基本方針改定を閣議決定
2015年8月25日 夕刊 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015082502000253.html
2015年8月25日 夕刊 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015082502000253.html
政府は二十五日、東京電力福島第一原発事故の自主避難者らを援助する「子ども・被災者支援法」の改定基本方針を閣議決定した。福島県浜通り、中通り地方の三十三市町村を指定している支援対象地域を当面維持する一方、放射線量が低下しているとして対象地域を将来的に縮小、撤廃することが適当とし、帰還や定住支援に重点を置くとした。
竹下亘復興相は記者会見で「避難している人も住み続けている人も、一人一人の事情に合わせて支援を考えたい」と述べた。
改定基本方針は、被災地の空間放射線量が事故後四年以上経過して低下しているとして「新たに避難する状況にはない」と指摘。福島県が自主避難者への住宅の無償提供を二〇一七年三月で打ち切ると決定したことも放射線量の低減に合っているとした。
ただ、自主避難者が帰還や移住を判断するには「一定の期間が必要」として対象地域の縮小、撤廃は見送った。
対象地域に暮らす人、避難している人、帰還する人がいずれも「安心して自立した生活ができるよう支援に取り組む」と明記。個別の施策ごとに設定する準支援対象地域の継続も盛り込んだ。
◆基本方針ポイント
▼被災地の空間放射線量は事故後四年以上経過して低下。新たに避難する状況にはない。
▼自主避難者が帰還や移住を判断するには一定の期間が必要で、支援対象地域を当面維持。
▼将来的には支援対象地域を縮小、撤廃することが適当。帰還や定住支援に重点を置く。
原発事故避難者 “政府方針改定は切り捨て”
8月25日 17時33分 NHKニュース
政府が、原発事故の被災者の生活支援を行う福島県内の「支援対象地域」について、放射線量が低減し「新たに避難する状況にはない」と基本方針を改定したことに対し、避難を続ける住民などが25日、記者会見を開き、避難者を切り捨てるものだとして抗議しました。
政府は東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと福島県内の避難区域周辺の33市町村を「支援対象地域」に指定して、生活支援を行っています。
25日の閣議で改定された基本方針では当面、対象地域の縮小や撤廃はしないとしながらも、空間の放射線量は大幅に低減していることから、「新たに避難する状況にない」とし、自主的に避難している住民向けの借り上げ住宅の無償提供を再来年3月で打ち切ることは適当だとしています。
これについて25日、避難を続ける住民や支援団体が東京都内で記者会見を開きました。この中で、福島県郡山市から静岡県に避難している長谷川克己さんは、「『避難する状況にはない』ということばは、私たち避難者を切り捨てる人権無視のことばだ」と述べ、撤回を求めました。また、福島県いわき市から東京都内に避難している鴨下祐也さんは「いま避難生活ができているのは無償の住宅提供があるからで、有償化になると避難生活が破綻する家庭が多数出てくる」と訴えました。
「子ども被災者支援法」見直し→帰還や定住の支援へ
2015/08/25 テレ朝ニュース
政府は、福島の原発事故の影響に対処してきた「子ども被災者支援法」の基本方針を見直し、閣議決定しました。当面はこれまでの支援を継続しながらも、重点を帰還と定住への支援に移していく狙いです。
2012年に施行された子ども被災者支援法により、政府は、避難指示区域の外でも放射線による健康不安や生活の不安を訴える人に健康調査や自主避難のサポートなどを行ってきました。今回の基本方針の改定では、「線量は大きく下がっている」として、新たに避難する状況にはないと明記しました。ただ、まだ地元の不安との間には溝があるとして支援対象地域の縮小は見送りました。今後、放射線量についての考え方を分かりやすく説明して被災者の不安を解消したうえで、元の住まいへ帰還や避難先での定住を進めるためのサポートをしていきたいとしています。
2015年08月26日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150826_71016.html
政府は25日、東京電力福島第1原発事故による被災者を支援する「子ども・被災者支援法」の改定基本方針を閣議決定した。福島県内の空間放射線量の低減などを理由に「避難指示区域以外の地域から、新たに避難する状況にない」との方針を明示。自主避難に関する支援を縮小する一方、古里への帰還や避難先などでの定住支援に軸足を移す。
2013年に閣議決定した方針の改定は初めて。復興庁は9月中にも、16年度から展開する被災者支援の具体案を示す予定だ。
改定では放射線量の低減を受け、福島県内33市町村を指定した支援対象地域について「縮小または撤廃が適当」とした。ただ、避難者が帰還や定住を判断するには一定の期間を要するため、当面は対象地域を縮小しない方針を盛り込んだ。
復興庁は7月、改定案を提示。その後、避難者らから寄せられた約1500件の意見も踏まえ、放射線の健康影響に関する国際的知見を丁寧に説明する方針を盛り込むなど微修正した。
竹下亘復興相は閣議後の記者会見で「避難している人にも、地元に住み続けている人にも、引き続き必要な支援を行っていく」と強調した。
福島県内外に自主避難する被災者と支援団体「FoEジャパン」などは25日午後、東京都内で記者会見し「新たに避難する状況にはないというのは国による決めつけで、撤回してほしい。国による被災者切り捨ては許せない」と抗議した。
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