2015/12/07

被災地で苦しい現状実感 飯田のサークルが支援交流報告/長野

2015年12月7日 中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20151207/CK2015120702000024.html

東日本大震災の被災地を十月末から三日間訪れて住民と交流してきた、うたごえサークル「やまなみ」のメンバーらによる報告会が六日、飯田市羽場町の羽場公民館で開かれた。

「やまなみ」は飯田下伊那の人たちを中心に構成。メンバーら九人が宮城県名取市の美田園第二仮設住宅集会所や福島県浪江町など六カ所を訪れた。

このうち今も帰宅困難地域が残る浪江町では、周囲に巡らされた柵の鍵を開けないと家に帰れず、町内にゲートが設置されている現状を見てきた。

初めて足を運んだという高森町の木村君子さん(74)は「放射性物質という目に見えないものが、住民の生活やつながりを壊して、家族もバラバラ。過去を奪い、行き先が定まらない生活がまだ続くんです」。自分がその立場に置かれたらどうなるか、身に染みて感じたという。

訪れた宮城県や福島県の住民との交流について話すメンバーら
=飯田市の羽場公民館で

また災害復興住宅や一戸建て住宅に移ったものの、集まるときは仮設住宅の集会所を使わなければならない、といった住民らの悩みも報告された。

参加者は報告会の後、被災者の支援をしている鈴木一意さんに話を聞き、復興支援の歌を合唱。現地で仕入れた三陸の海産物の販売も行った。収益は支援物資の購入に充てる。
(服部桃)

0 件のコメント:

コメントを投稿