2016/02/02

東電、福島原発の廃棄物焼却へ 防護服や伐採木処理

2016年2月2日 日本経済新聞 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG01H6Y_R00C16A2CR8000/

東京電力は3月までに、福島第1原子力発電所の廃炉作業で生じた廃棄物の焼却処理を始める。専用の設備を稼働し、放射性物質に汚染された使用済みの防護服などを焼却。その後、伐採した樹木や廃材に対象を広げる。増え続ける廃棄物の容積はがれきなども含め東京ドームの4分の1にも達している。灰にして容積を減らし、長期保管しやすくする。

福島第1原発では1日7000人弱の作業員が働いている。防護服や下着、手袋に加えて、工事で使った梱包材や汚染水の保管タンク設置のために伐採した樹木などが廃棄物として大量に発生している。放射性物質に汚染された土や水が大量に付いている場合もある。

汚染した廃棄物は、原発の敷地外に持ち出すことは認められていない。現在は敷地内にあるコンテナなどに詰めて保管しており、発生量は合計で約30万立方メートルにのぼる。東電によると、焼却により容積は10分の1以下に減少するという。

設備は5、6号機の北側に設置した。1時間に最大600キログラムの廃棄物を焼却できる。フィルターなどで放射性物質が漏れ出ない対策をしており、焼却で生じる汚染灰はドラム缶に密閉して保管する。最終的には地中に埋設するなどして処分する必要がある。

汚染していない段ボールなどの廃棄物で、約2カ月にわたる焼却設備の試運転を1月下旬に完了した。今後、実際に放射性物質が付着した廃棄物を燃焼して安全性を確かめ、2月下旬から3月上旬に本格的な処理を始める。

19年度には伐採した樹木などを対象にした焼却設備を増設し、20年度にはコンクリート製のがれきなどを細かく切断して容積を半減する設備も稼働させる計画だ。一連の対策で、増え続ける廃棄物を数年内に減少に転じさせる。

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